女子は恋愛も「正しく」

ホスト側は商売なのだから、店で金を使うのが「正しいあり方」という認識なのでしょう。ホスト遊びに限らず、恋愛シーンにおいても女は、正しくあろうとします。「セックスは正式交際が確定してから実施すべき」とか、「正式交際している仲なのだから、日常的にLINEでコミュニケーションを図るべき」とか、「仕事が忙しくても恋人同士なら時間調整し毎週会えるよう努力すべき」とか。

思い返してもみれば、小中学校の合唱コンクールも、真面目に歌おうとしないおふざけキャラの男子対し、優等生キャラの女子が「男子、ちゃんと歌ってくださいッ!」と、謎の敬語で(笑)涙ながらに訴えるシーンが毎年のように繰り返されていましたっけ(『ちびまる子ちゃん』に登場する、みぎわさん・冬田さん・前田さんのようなイメージ)。

対して男子は、「正しくないこと」を好みます。合唱コンクールの名曲『大地讃頌』の「♪人の子らー♪」を「♪待てぇコラァー♪」などと替え歌してゲラゲラ笑うことが楽しいと感じる生き物なのです。そんな彼らが成人すると、「本番ナシの風俗店で本番をやろうとしたり、本番アリ・但しゴム付きの店でナマファックを期待したり……「正しくないこと」に走るのでしょう。

「正しくあること」と「正しくないこと」……風俗店云々はさておき、一般の男女関係においては、正しくあるから上手くいくとは限らないです。同性の友達に置き換えて考えればカンタンなことですよ。世間擦れしていないような「おりこうちゃん」よりも、多少は毒を吐く女友達のほうが、喋っていて楽しいですよね。男女間も、そういうことなのだと思います。

Text/菊池美佳子

次回は <「先にセックスしなかったら…」セックスのタラレバ娘にならないための心得>です。
テレビドラマ化もされた、東村アキコ『東京タラレバ娘』。「こうしていたら」「ああしていれば」という想像が多いのは、恋愛シーン、もっと言えばSEXシーンではないでしょうか?「誘いを断らなければ処女喪失できていたのに…」「先にセックスしなかったら本命になれていたのに…」なんて後悔しないための心得です!

初出:2017.01.30