逃げたうえで、何で勝負するか

 今週のテーマを「ヤリ逃げるは恥だが役に立つ」と掲げておきながら、筆者は「ヤリ逃げ」という言葉が大嫌いです。正確に言うと、ヤリ逃げという言葉を使う婦女子が大嫌いです。「ヤリ逃げされた(涙)」などボヤいている婦女子を見かけると、跳び蹴りを喰らわしたくなります。

 だって! セックスをしたからといって、正式交際しなければならないという決まりはないんですもの。にも関わらず、「セックスという、女性側にとってハイリスクな行為(望まぬ妊娠とか。性感染症も、女性のほうが性器の面積が広いため、感染しやすいと言われていますね)を実施させておきながら、正式交際しないだなんて、どういうことッ!?」と、目くじらを立てるのはナンセンス。

 とは言え、いわゆるヤリ逃げをする男性側にも非はあると思います。どうせ、思わせぶりな言葉を連呼して、女性側にあらぬ期待を抱かせたのでしょう。はなっからヤリ逃げするつもりなら、中途半端に愛の言葉なんぞ囁かずに、「俺、明日の朝にはヤリ逃げするけど、それでも良ければ一発どうだい?」と、正直に言えば、ヤリ逃げ呼ばわりされることもないのに……。まぁ、そんな口説き文句で引っかかる婦女子はゼロでしょうけど。

 ところで世の男性たちは、「ヤリ逃げ」を「恥」と認識しているのでしょうか? 筆者が思うに、表面的には「恥」どころか「武勇伝」と捉えているように見受けられます。「『また会いたい』と懇願するLINEを華麗にスルーする、ドライなオレ」みたいな感覚。けれども内面では、「一発ヤリたいという性欲をおさえ切れず、付き合う気もない女性に、思わせぶりな態度をとってしまった俺って、恥ずかしいヤツ」って気持ちもあるんじゃないかなぁ。

 男性側に「ヤリ逃げ=恥」という認識があると仮定したうえで! 彼らは一体、自分がどのような分野で役に立つことができると思っているのでしょうか?
「ヤリ逃げが恥であることは百も承知のうえで、正式交際という苦手分野から逃げ、自分が役に立つことのできる○○で勝負する」の「○○」に該当するものとは?

1.オトコ同士の下ネタを盛り上がるトークで勝負する(例:「こないだバーで知り合ったナースと一発ヤッたんだけどさ」)

2.女友達への恋愛アドバイスで勝負する(例:「ぶっちゃけカラダの相性が合わないと、結果的にヤリ逃げすることだってあるんだぜ」)

3.仕事で勝負する(例:「ワンナイトラブでのフラストレーション発散を仕事への活力にしているのだ」)

 おそらく「3」が圧倒的多数と想定されます。が、実際に仕事で役立っている男性は、どれほどいるのかと、失笑してしまう次第です。

Text/菊池美佳子

次回は <テクニックと反比例!?上から目線な「業界人のセックス」の法則>です。
AM読者のみなさんも、年末年始は地方出身コンプレックスを刺激される時期ではないでしょうか……。東京大好きな菊池美佳子さんが、芸能界大荒れだった2016年最後に語るのは「業界人」のセックス!上から目線なイメージがある彼らのテクニックは?アレの大きさは?