アーティストにはトップに駆け上がる勢いのある全盛期と、人気が徐々になくなっていく落ち目がある。
どんなに才能のある素晴らしい人でも全盛期を維持するのは難しい。

 そして、人気の下降に抗って全盛期を取り戻そうとする人と、流れに任せつつ精力的に活動を続ける人がいる。
人気が落ちればゴシップ誌の餌食になって叩かれるが、個人的には落ち目のアーティストの方が好きだ。
周りの期待から離れて肩の力が少し抜けてた方が、流行に流されない素敵な作品をリリースしてくれる。
一方で、いつまでも過去の全盛期を追いかけるアーティストは今しか発揮できない輝きを自らかき消してしまうことが多い。

 過去は過去にあるから輝かしい。
いくら学生時代の無鉄砲で初心な自分が恋しくたって、時間を巻き戻したいとは思わない。
同窓会で学生時代からそのままタイムトラベルしてきたような同級生を見て、なんとも言えない距離感を抱くのはきっとその証拠である。

 過去に引きずられているなら、もしかしたら目の前に大きな壁があってもなかなか前に進めないかもしれない。
そんな時は思い出をポケットの中にしまってその壁を越えることに集中しよう。
ときめきを失った恋愛ならば、他に価値あるものがないか探すことだってできる。
過去は輝きを失うことはない。たまに覗き見するくらいでちょうどいいのだろう。

Text/キャシー

次回は <気になるならデートに誘ってしまえ>です。
次回は「デート」について。気になる異性が目の前に現れたとき、皆さんはどのようにして距離を詰めますか?それとも、何もせずに過ごしてしまいますか?