よく考えてば筋の通らない話である。人間は変化する生き物だ。
遊ぶことに夢中な子供から受験勉強に必死な学生もいれば、飲み会ばかりしている大学生から残業ばかりする会社員もいる。
そうした変化に伴って、価値観や考え方が変われば、周りの人だって入れ替わる。
一緒になって変化する恋人ならばいいが、人生を歩むペースは人それぞれ。
常に隣を歩いてくれる人は存在しない。20代に出会った恋人と、これからも30代、50代、70代と最期まで関係を維持しろというのは少し残酷なルールである。

 数年も共に歩いてきた彼氏との間にギャップを感じるようになった友達も凄く戸惑ったという。
特に相手に問題があったわけではない。相手を思う気持ちがなくなったわけでもない。
それでも、何か大切なものが変わってしまったのは確かである。
冷静になって彼氏と話し合ったところ、自然と別れようという結論に辿り着いた。
別れた後もお互いを思いやる気持ちは消えず、ルームメイトとしてしばらく暮らそうということに決めた。
周りから見れば別れたように見えないかもしれないが、彼らは彼らなりのペースで別々の道を歩み始めている。

 人生の分かれ道に立って、自分と恋人が求める未来が違っているのなら「さようなら」もオプションの一つである。

 もちろん、ここまで親しくなった人と離れ離れになるのは寂しい。
物理的な距離感が変わらなくても、もう昨日までの関係とは違っている。

 しかし、それをネガティブなものとして扱う必要はない。そんな別れはきっと卒業式みたいなものだ。
慣れ親しんだ環境を離れるのは悲しいが、そこから旅立てば新しい冒険が待っている。
そこで培った経験を次の機会に活かせばいい。どうせ別れるのなら、そんな素敵な破局をしたいものだ。

Text/キャシー

次回は <最高の自分、どん底の自分、どっちも受け入れてくれる?>です。
次回は「ダメな部分を認めてくれるか」について。付き合いが長くなると、自分の駄目な部分は隠しきれなくなりますが、いま近くにいるパートナーはそんなアナタを受け入れてくれるでしょうか?