ポジティブな別れ方って素敵

「あの二人、別れたのにどうして仲が良いの?」

 友達は数年付き合った元彼と別れた後も驚くほど仲睦まじい関係を維持している。
破局後もそのままルームメイトとして同じ屋根の下で暮らし続けているし、一緒に外食やショッピングをすることもよくある。
側から見れば、付き合っている状態とそう変わらない。面白いことに、彼らが仲良くすればするほど周りはますます混乱する。
自分でさえ、二人が既に恋人同士ではないということを忘れてしまうことがある。
彼らの関係がこうも他人の目に不自然に映るのはなぜだろう。

 別れや離婚はネガティブなものだという認識がある。
メディアで見る破局は悲しい出来事で、離婚は人生の失敗として描かれることが多い。
ハッピーエンディングの王座には障害を乗り越えて叶った恋が誇らしげに座っている。
おとぎ話のように「そして、二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ」にはならないのが人生だが、それを期待する人は少なくない。
末長く続く恋愛にこそ価値があるという考え方がある限り、終止符に価値を見出すことは難しい。
だから、別れたのに幸せそうに振る舞う人たちは異質なのだろう。