一対一の恋愛関係が絶対で正しいという考えは私たちの心の奥深くに植え付けられている。
その考えの是非をここで論じるつもりはない。一方で、恋愛や感情には形がない。
それに絶対こうであるべきだとか、正しいとか間違いとか、そういった形のある概念はなかなか当てはまらない。
人が何かを感じれば、それはその人のものだ。他の人にどうこう言われる筋合いはない。

 それを言ってしまうと浮気を正当化したいのかと思われるかもしれないが、そうではない。
相手に嘘をついたり、裏切るという行為を賛称するつもりは全くない。
嘘をつかれたり、裏切られて怒りや悲しみを感じることを否定するつもりもない。
そうした気持ちは人にとって欠かせない一部だ。
それと同じように、人間が誰かに魅かれる気持ちを否定する必要もない。

 恋人が他人に魅かれて許せないと感じるのは自分の嫉妬心だ。
その嫉妬心を正義の盾にして、相手の浮気心を絶対悪とする行為には同意できない。
それをしたくなる気持ちは痛いほどわかるが、それをいくら続けたって問題解決にはならない。
もしも本当にお互いの関係が大事だというのなら、自分の嫉妬心を認めて、恋人にそれを伝えよう。
そこからどうやって問題解決へ進めるか、じっくり試行錯誤すればいい。

 あくまで個人の好みだが、恋人と一緒にイケメンチェックできるのはとても楽しい。
「きゃー! あの人めっちゃ男前!」「あんたには釣り合わないよ」なんて意地悪なやりとりで心が温まるのは、自分がひねくれているからなのだろうか。

Text/キャシー