「人間と人間、一緒になれば必ず違いがある。お互いを知れば知るほど、小さな違いから大きな違いまでいろいろ出てくるだろう。それを怖がって好きな人と一緒になれないなら、誰とも付き合うことはできない。自分の場合は年齢差という違いがあるってだけだ。どうせ違うんだから、どれだけ違うかなんてきっとそこまで関係ないさ」
いつか、ゲイカップルは男性と男性だから共通点が多くて楽だという意見を耳にした。
本当にそうなのだろうか。男性と女性はだいぶ違うけど、ストレートカップルは至る所にいる。
年齢や性別じゃなくても、文化だったり、人種だったり、収入だったりと、違いは数え出したらきりがない。
肉好きとビーガンのレズビアンカップルは、毎晩別々に夕食を用意するという。
愛があれば、それも苦にならないらしい。
目に見える違いや気付きやすい違いにばかり注目が集まるが、目に見えない違いだって山ほどある。
自分と彼氏には共通点がたくさんあると思っていたが、付き合えば付き合うほど違いが増えて行く。
何度注意しても、彼は汚い靴下をあちこちに履き捨てる。
きっと、そこは一生変わらないのだろう。毎回目くじらを立てるだけ無駄なのかもしれない。
その違いを無理に変えるよりも、それを受け入れて、そこからどうやって関係を築けるかに注目したい。
もちろん、そこから立ち去るのも自由だ。
今、目の前で噂話を垂れ流す彼とそれに嫌気が差している自分の間にもきっと埋まらない違いがあるのだろう。
それが40歳もの年齢差より大きな違いなのかはわからないが、これ以上休憩時間を無駄にしたくないのは確かだ。
ぐいっとラテを飲み干して、あっさりとバイバイした。
Text/キャシー
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