誰かと出会ったとき、様々な感情や考えが頭の中を過る。
「今すぐこの人とベッドに飛び込みたい」と思うことがあれば、「この人のこともっと知りたいな」と興味が湧いたり、「この人の笑顔は素敵だな」と自分まで笑顔になることもある。
相手の外見に惹かれることもあれば、考え方にビビビッと来ることもある。
ちょっとしたしぐさで心がとろけることだってある。
人間と人間の化学反応は、イケるかどうかより遥かに豊かだ。
しかし、狭い見方でしか相手を捉えることができなければ、そうした多様性にも気が付かない。
それではもったいない。

 例えば、「私は背の高い人しかイケない」だなんて自分に言い聞かせていれば、そこばかりに目がいって、背の低い人は問答無用で除外してしまう。
本当ならとてもいい関係が築けた人も、そのせいでチャンスを逃してしまう。
相手にないものを見つけようと必死になっても、何も見えるはずがない。
そんな時は、相手に惹かれる部分がないか探してみよう。
もしかしたら、全然見つからないかもしれない。
それならそれでいい。
しかし、たまに思わぬものに惹かれている自分に気付くかもしれない。
そしたら、そこに注目してみよう。
興味があれば、もっと深くまで掘ってみよう。
そうすれば、あっという間に恋に落ちている……なんてこともあるかもしれない。
少なくとも、普段なら見過ごしていた相手の魅力を発見できるだろう。

 キャシーのセックス歴を辿ってみると、気持ちが良かったセックスに限って相手がタイプじゃなかったりする。
だから、そのジンクスに従って、タイプかどうかは重視しなくなった。
私たちのタイプは、思う以上に絶対ではない。
自分のタイプにあんまりがんじがらめになっていると、豊かな出会いをみすみす見逃してしまう。
別に無理にタイプじゃない人を好きになる必要はない。
ただ、たまには心の窓を開けて、少し違う風も楽しんでみればいい。

Text/キャシー