レイプに遭ってしまったら
アル:あと、性犯罪には「被害者が責められる」という特徴がある。
たとえば、お金持ちのオジサンが高級ブランドを着て夜道を歩いて強盗に遭っても「被害者にも責任がある」と責められないでしょ?
でもレイプの場合は「スキがあった」「派手な服を着ていたから」と責められることも多い。そういうセカンドレイプが怖くて、誰にも言えない被害者も多い。
Y:「スキがあった」なんて、自分の娘だったら言えるか?と思いますけど。あまりにも他人事ですよね。
アル:でも、世の中には「おまえにスキがあった」と責める親もいるんだよ。
まず根本が間違っていて、性犯罪に遭うのは「地味でおとなしそうな女性」が多い。加害者は「抵抗しなさそうな女性」を狙うから。だから、高齢女性や障害のある女性も狙われるんだよね。
Y:外道ですね…。
アル:外道だよ。『外道坊』になって抹殺してやりたいよ。
でも私は『外道坊』みたいに強くないから、自分や他人を守るために、ペッパースプレーを携帯してる。力でかなわない敵は視力を奪うのが一番だから。
でもその話をしたら「そんなに狙われるんだw」とか嬉しげに言う男もいるんだよ。
Y:男の中にはそういうバカもいますね。痴漢に遭った女性に「どんな風に触られたの?」と嬉しげに聞くバカとか。
アル:自分が暴漢に遭って「どんな風に殴られたの?」と嬉しげに聞かれたらどう思うか、考えるがよい。こういうことも性教育で教えるべきだけど。
この前、ドキュメンタリーにレイプで妊娠してしまった女子高生が出てたんだよ。その子は「親にも誰にも言えなかった。記憶を忘れたかった」と話していて、たしかに「なかったこと」にしたいのはわかる。
わかるんだけど、レイプに遭ったら、シャワー浴びずに即病院に行ってほしい。
そしたらアフターピル(緊急避妊ピル)や性感染症を予防する薬を処方してもらえる。シャワーで洗い流さないことで、犯人のDNAが採取できて、逮捕につながる証拠になる。
犯人が野放しだと「また襲われるんじゃないか」って不安が消えないから。
被害者の相談窓口もあるし、精神的なケアも受けられるから、自分を守るために声をあげてほしい。
Y:うーん…本当にこういうことを学校で教えるべきですよね。人生や生命に関わることなんだから。
アル:そうだよ。親が教えろつったって、親も色々いるんだから。みんなが公平に知れる機会を作るべき。
Y:日本は「性教育すると性が乱れる」とか言っている国だから、難しいでしょうけど。
アル:オランダは世界一性教育が進んでいるけど、十代の出産中絶率が低くて、初性交年齢が高いんだって。つまり性が乱れるどころか、慎重になって自分を守れるようになるってこと。
Y:現時点では親が教えるしかないんですよね。娘たちにどう伝えればいいか…。
アル:性教育の絵本も色々あるので、探してみるとよろしいです。
―マジメな話になりましたが、次回はふざけた話をします!
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Text/アルテイシア
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