腟の異常事態発生!おりものに異変があったら早めに婦人科へ

腟の異常事態発生…!

前回、「どーすりゃいい!? 聞くに聞けないデリケートゾーンのお手入れ」では腟のニオイやかゆみについて、医学博士で女性泌尿器科専門医の関口由紀先生に伺いました。

今回は、いつもと異なるニオイやかゆみを伴ったときに疑って欲しい、腟炎や性感染症についてのお話です。

パートナーと早めに治療したい性感染症

<関口先生の解説>
「性交渉の後におりものが増えたのなら、まず疑うべき性感染症はクラミジアです。
男性は排尿時に痛かったり、ムズかゆかったりなど尿道炎の症状が出て気がつきますが、女性は稀に性交時に出血や排尿痛があるくらいで、ほとんどは自覚症状がないまま進行します。

感染に気づかないまま放置しておくとクラミジア菌が体内に侵入し、子宮頸管炎や子宮内膜症、卵管炎などを引き起こして卵管が詰まり不妊の原因になります。またHIVの感染率も上がってしまいます。

もしおりものに異臭があり、黄緑色の膿状になっていたら淋病かもしれません。
症状の現れ方はクラミジアより激しく、男性は排尿時の痛みや、黄色い膿が出ます。
女性の場合も、黄色の大量のおりものが出て、腹痛も起こります。症状が激しいので、比較的感染したことが分かりやすい疾患ですが、放置していればクラミジアと同様、不妊の原因にもなります。

この他にも、腟のかゆみやおりものの異常を伴う性感染症として、
黄緑色がかった泡状におりものが出る『トリコモナス腟炎』、
陰部や肛門周りにイボができる『尖形コンジローマ』、
外陰部にかゆみや痛みを伴う潰瘍ができる『性器ヘルペス』があります。

これらの性感染症は、ほとんどがおりものの変化やニオイで気がつきます。
すぐにクリニックを受診して治療すれば、速やかに治癒しますが、放置すれば完治に時間がかかったり、性交痛や不妊の原因にもなったります。

病気を拡大させないためにも、おりものにいつもとは違う異変を感じたら、悩んでいないで早めにパートナーに相談し、一緒に治療をするようにしましょう」