「セックスがうまい」と自称する人にアレルギーがあるのはなぜ?

先日、3泊4日で大阪に行ってきました。目的は文学フリマに参加することで、同行者はAV監督で文筆家の二村ヒトシさん、デザイナーのコヤナギユウさん、編集イラストデザインとマルチな才能を持つ、ひとり編集プロこと坂野りんこさん。せっかくこの時期に大阪に行くのならば、ついでに万博も楽しもうかということで、前日入りすることになったのですが、わたしは直前に混雑に怖気づいて取りやめ、宿のある十三でひたすらに昼から飲んだくれるだけという体たらくでした。

2日目は文フリに参加、3日目の夜は梅田のラテラルというイベントスペースで「梅田の人生ご相談会&皆さんとの交流会『サブカル女子は35歳で消えてサブカルおじさんは40歳で鬱になるのか?うまいセックスとは、どんなセックスか?そしてガンダムの登場人物の心の穴とは!?』」というものすごいタイトルの長いイベントを行い、楽しい夜を過ごすことができました。

本当にセックスがうまいの?

文フリではこのメンバーで作った『答辞』というZINEをメインに、各々の個人ZINEを頒布したのですが、その中の一冊に坂野りんこさんが取り仕切った二村さんと、二村さんが「一番セックスがうまい男優の一人に違いない」と語るAV男優の細田あつしさんとの対談本『AV監督と男優が真剣に考える うまいセックスってなんだろう?』というZINEがありました。わたしは前回の東京文フリで購入済だし、以前もこのサイトで取り上げたので、興味のある方には読んでいただけると嬉しいのですが、付け加えるとこの本のポイントって、実際に細田さんとはセックスをしていない二村さんが、一番セックスがうまい男優のひとりとして細田さんを名指していることではないか。

いや、ヤったかヤってないかは尋ねていないので、もしかしていたしているという可能性も0パーセントではないのですが、まぁしていないと仮定した場合、二村さんがAV男優である細田さんのセックスをカメラのレンズ越し、つまり客観的に見てうまいと思ったわけで、非常にフラット。ゆえに信頼に足るというか、いわばセックスソムリエのセレクションだからこそ読む価値がある、と思ったのはわたしが「セックスがうまい」と自称する人をどうしても疑ってかかってしまう性格だからです。
だって本当にセックスがうまいのか下手なのかなんて、証明の仕様がない。客観性があることを証明するために「セックスがうまいっていわれる」と他人の担保があるような言い方をする人もいるけれど、ついつい「人は嘘をつく生き物ですよ~!」とつい心の中で突っ込みを入れてしまう。