乱交パーティーに参加してみると…

そのパーティーに参加していたのは、男女あわせて30人くらいだったと思います。残念なことに、当時20代だったわたしが「積極的にヤリたい」と思うタイプの男性は少なく「まぁ、ヤってもいいかな」くらいの感じで、乱交パーティーで選り好みしても仕方がないけれども、それはわたし以外も同じようで、なんとなく皆、誰を誘おうか、お相手を見計らっている雰囲気でした。

しばし近くにいる人と話をして「ヤリましょうか」と合意したら個室でセックスをし、終わったら寿司をつまみに酒を飲んでチルアウトし、新しく話しかけてきた人としばし歓談し、またも合意すれば個室に行き、その気になれなかったらお断りする、みたいな、いわばセックスマラソンでもしているかのような調子でした。結局想像していた、全員が裸になって、相手が誰ともわからないままくんずほぐれつの大御乱交!といった展開はないままに、パーティーは終了。「乱交という看板に偽りありではないか……」となんともモヤったまま帰途についたのでした。

だから正しく言えば、わたしは乱交パーティーには参加したことがあるけれど、乱交には参加したことがない……のだけれども、それは乱交パーティーの最中といえども、参加者たちの「誰とヤリたい」「誰とはヤリたくない」という意思が尊重されての結果でもあり、乱交パーティーで逮捕って、マジで「被害者なき犯罪」じゃんね。

Text/大泉りか
初出:2022.06.25