お尻を責めたい女性に出会い…

そうした経験を経ているから、男女の間でのアナルセックスには抵抗があったのだが、それとは別に「肛門を責めたい女性」がいることも後に判明することとなる。肛門を舐めてきたり、肛門の中に指を突っ込んでくるのだ。

こうした人は、薄手の短パンをはいていて一緒に映画を見ているときなども肛門のあたりを目指して指を隣の席から短パンの上から突いてくる。これが僕には実にキツいのだ。本当に痛いのである。だが、彼女からすると「これまで肛門を指で突くことを喜ぶ男が大勢いた」ということが根拠で僕にも同様のことをしてくる。

実際に彼女とセックスをしても「お尻は男にとっての重要な性感帯よ」などと言い、指を突っ込んでくる。しかしこれがこちらにはキツくて仕方がない。「それはやめてください!」と明確に言い、以後やらなくなった。だが、彼女としては「なによ、私がせっかく性技を駆使してあげているのに……」と不満だったことだろう。

だが、僕からすれば彼女たちのお尻攻めは今でもトラウマになっており、夜中に突然「ウワーッ!」と叫んで起きてしまうことがある。隣で寝る女性も「どうしたの?」と言うのだが、僕は「変な男から肛門に指を入れられる夢を見た」と言う。実際、夢に登場する人物は女性なのだが、あの頃のお尻攻めは夢にまで出るほど厳しい体験だったのである。

セックスという身体と身体のやり取りではあるものの、「心」と「互いの意思確認」もたいへん重要なのである。

Text/中川淳一郎