冬の炬燵でイチャイチャ
春画に炬燵が登場することは珍しくありません。たとば炬燵に男女三人が入り、男女二人が炬燵の中でイチャイチャし、残りの一人はまさか炬燵の中でそんなことが起こっているなんて想像もしていない……なんてシチュエーションもあります。
雪がどっさり積もった日。いつもの見慣れた風景が雪に覆われ、子供たちは寒さなんて忘れて雪で遊びまわります。巨大な雪玉をつくる子どもたちの様子を見守る夫婦。大人たちは炬燵(こたつ)にあたりながら、雪景色を眺めているほうが楽しいようです。そして炬燵で寄り添っているうちに交わりがはじってしまいます。
奥村政信の『閨の雛形』でも、布団ですればいいものを、炬燵に入って温まったホカホカのお股を求めあっています。画中には「扇(あふ)ち風 火燵(こたつ)の炭団(たどん) やせにけり」という句があり、足をバタバタさせながら風を扇いだせいで炬燵の中の炭団(炭の粉末やフノリを混ぜて団子状にした燃料。冬の季語でもある)がどんどん小さくなっていくということを意味しています。セックスそのものを句で表現するのではなく、炬燵の中の炭団が小さくなることで交わりを表現する。お洒落ですね。
今回紹介したような寒さを感じる春画を、温かい部屋で観賞するのもお勧めです。炬燵で美味しいお菓子を食べながら、春画の画集をパラパラめくり、くつろぐ時間を今から想像するとワクワクします。わたしはお正月休みには、たっぷり春画を楽しもうと思います。
Text/春画―ル
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