冬の炬燵でイチャイチャ

春画に炬燵が登場することは珍しくありません。たとば炬燵に男女三人が入り、男女二人が炬燵の中でイチャイチャし、残りの一人はまさか炬燵の中でそんなことが起こっているなんて想像もしていない……なんてシチュエーションもあります。

石川豊信(いしかわとよのぶ)『色あそび』(1751~63年)国際日本文化研究センター所蔵

雪がどっさり積もった日。いつもの見慣れた風景が雪に覆われ、子供たちは寒さなんて忘れて雪で遊びまわります。巨大な雪玉をつくる子どもたちの様子を見守る夫婦。大人たちは炬燵(こたつ)にあたりながら、雪景色を眺めているほうが楽しいようです。そして炬燵で寄り添っているうちに交わりがはじってしまいます。

奥村政信『閨の雛形』1750年頃 国際日本文化研究センター所蔵

奥村政信の『閨の雛形』でも、布団ですればいいものを、炬燵に入って温まったホカホカのお股を求めあっています。画中には「扇(あふ)ち風 火燵(こたつ)の炭団(たどん) やせにけり」という句があり、足をバタバタさせながら風を扇いだせいで炬燵の中の炭団(炭の粉末やフノリを混ぜて団子状にした燃料。冬の季語でもある)がどんどん小さくなっていくということを意味しています。セックスそのものを句で表現するのではなく、炬燵の中の炭団が小さくなることで交わりを表現する。お洒落ですね。

絵師不詳『会本夜水交(えほんよみずのまじわり)』国際日本文化研究センター所蔵 炬燵で春本を見てのぼせる女性

今回紹介したような寒さを感じる春画を、温かい部屋で観賞するのもお勧めです。炬燵で美味しいお菓子を食べながら、春画の画集をパラパラめくり、くつろぐ時間を今から想像するとワクワクします。わたしはお正月休みには、たっぷり春画を楽しもうと思います。

Text/春画―ル

AMの連載が書籍化!

「江戸期はみな性愛におおらかで情愛に満ちていた」――なんてことはなかっ!? 「幸せなカップルの営み」も「性暴力」も描かれる「春画」。江戸期の春画をジェンダーで読み替えると見えてくるものとは。
『江戸の女性たちはどうしてましたか? 春画と性典物からジェンダー史をゆるゆる読み解く』は晶文社より発売中です!