今回のテーマは「夫婦と隠語」である。
隠語とは拳銃を「チャカ」覚せい剤を「シャブ」と言うような、「その界隈だけで通じる呼称」のようなものである。
もちろん隠語は反社会業界だけではなく、刑務所に入ることを「アカ落ち」と言ったり、逮捕後にも隠語はあり、ついでに出所は知っている人も多いと思うが「シャバに出る」と言う。
皆さまにはぜひこの一連の隠語が関係ない人生を送ってほしい。
ちなみに「おさんぽみるく」など、卑猥な言葉のことは「淫語」と言う。
「夫婦間に隠語はありますか?」と聞かれてうっかり「うちでは主人のものを「ありがた棒」と呼んでおります」などと言ってしまわないように気をつけよう。
また、業界全体で共通する隠語だけではなく、それこそ夫婦など、狭いサークルの中でだけ使われる隠語もある。
そういう隠語は「今後、義両親のことは『貴様の製造元』と呼ばせてもらう」など、取り決めにより生まれることもあるが、自然に生まれるものも多い。
私は去年末から、ニソテソドースイッシの「桃太郎電鉄」にハマっており、毎日のように通信対戦をしているのだが、対戦メンバーが大体同じなため、いつの間にかそのグループだけで通じる桃鉄用語が生まれていた。
桃鉄を知らない人に説明すると、日本を舞台にしたすごろくのようなもので、プレイヤーは目的地に向かって進みながら各地の物件を買い、収益を競うというゲームだ。
ゴールにいち早くついたプレイヤーがドヤ顔ガッツポーズを決めることから、ゴールにつくことを「コロンビア」、物件を独占することを「抱く」と言うようになった。
そして、桃鉄には各地の名産が登場するのだが、某県に「やせうま」というお菓子が登場する。
変わった名前故に、各々由来を考察したところ「うまいのに痩せるのでは」「食べてやせるというのは、もはやシャブでは」とプロファイリングが冴えわたってしまい、最終的にやせうまは「シャブスイーツ」と呼ばれるようになってしまった。
このように隠語というのは、外部の者からするとワケがわからないばかりか、場合によっては「ドン引き」なものも多く、やせうま関係者の方には謹んでお詫び申し上げる。
このように、言葉や話題というのは、それが通じる相手かどうかを見極めてから出さなければいけない。
そして私がコミュ症なのは、関係性を読まずに言葉や話題を選んでしまっているせいなのかもしれない。
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