レンタルで30万円!?

先ほど「毒親育ちには神前式がオススメ」と書きましたが、これから結婚式と披露宴で「自分に似合うドレスが着たいな」と思っている全ての花嫁さんにオススメしたいことがあります。

それはウエディングドレスをオーダーすることです! (でも、お高いんでしょう?)

私も最初は当然のように、会場と提携しているレンタルドレスショップで借りるんだろうと思っていました。だいたい着たいデザインのドレスも決まっていたので、試着の予約を入れて母親と(花嫁衣裳関連にだけ思う存分口出しをさせて、それ以外は干渉を避けようという作戦でした)ショップへ行ったのですが、私の望むデザインのドレスは、なんとフロアに一着しかありませんでした。

まじで?と思いながらその一着を試着してみると、「望むデザインである」というだけで、ドレスの生地やレースはまるで好みではないことにすぐ気付きました。しかも、試着の最後に差し出されたハイヒールの不恰好なこと。
私は身長が150センチと小柄な方なのですが、世のレンタルドレスというものは平均身長+7センチ程度のヒールを履いた状態を対象として作られているため、私がそのドレスを着ようとしたら15センチほどもあるヒールを履かないといけないのです。もちろんただの15センチヒールでは歩きにくすぎるので、靴のつま先側が厚底になったごっついプラットフォームヒールです。

えっ私、好きでもないドレスを30万円で借りて、好きでもないプラットフォームヒールまで買うの? もう二度と履かないのに?
試着室で一瞬だけ自問自答をした後、オーダードレスを作ることを決めました。こんなこともあろうかと、念のためにドレスの持ち込み料がかかるか会場に確認済みです。私が披露宴をした会場の場合、自分で購入したドレスを持ち込む際には持ち込み料が発生しませんでした。

インスタの「#プレ花嫁」タグを徘徊して目星をつけておいたオーダードレスショップへ駆け込み、理想のドレスを作ってもらいました。
ほとんど卸値でドレスを販売しているお店だったのですが、わがまま放題のフルオーダードレスに、同じレースを使ってオーダーしたヘッドドレス(オードリーヘップバーンみたいなボンネットにしました)ブライダルインナーとパニエも買って、それでもレンタルショップで借りるよりも安く上がりました。
しかも購入するので、当然ながらドレスは手元に残ります。オーダードレス、めっちゃコスパいいやん!

楽しい結婚式の画像 ※こちらが私が実際にオーダーしたコスパ最高なオーダードレスです

ミリ単位で身体に合わせたドレスを作ってもらうことは、結婚式と披露宴をやるのと同じくらい貴重な経験でした。理想そのものみたいなドレスが出来上がっていくのは否応なしにテンションが上がりますし、似合うドレスを探して延々とレンタルドレスショップを回るよりずっと効率が良いです。ドレスをオーダーして結婚式に臨むことがもっとスタンダードになればいいのに!と思いました。

新郎のタキシードもオーダーして、後日スーツに仕立て直すサービスなんかもあるそうなので新郎衣装のオーダーもオススメです。夫には「スーツはもうあるからいい」と断られましたが。

娘役の所作を学ぶ

結婚式と披露宴の日は着慣れていない花嫁衣裳で一日の大半を過ごすことになりますが、ここでもうひとつオススメしたいことがあります。

宝塚歌劇を観ておくことです。

いや冗談ではなく。私がヅカヲタだから隙さえあれば宝塚ネタを突っ込みたいわけでは決してなく。映像でもいいから。1回観て。ね。

宝塚の娘役はドレスを着るプロです。プリンセスラインも、Aラインも、エンパイアもマーメイドも、あらゆるドレスを着こなします。また、宝塚では「日本もの」と呼ばれる時代ものの作品も頻繁に上演されていますから、白無垢や色打掛での立ち居振る舞いのヒントも豊富です。
娘役がとる指先の形ひとつ、肩甲骨の寄せ方ひとつ覚えておくだけで、立ち姿の写真映えがぐっと良くなるのです。

披露宴を終えた夜、出席してくれた友人から送られてくる大量の写真を見て、どの写真でも背中が丸まらずにしゃんとしている自分を見て「宝塚観ててよかった……!ありがとう、ちゃぴちゃん!!(月組の先代トップ娘役・愛希れいかさんの愛称)」と天を仰ぎました。

さて、最初に「結局披露宴って何?」と思っていたということを書きました。
自分の結婚式と披露宴を終えたいま、人に「披露宴って何のためにするの?」と聞かれたら、なんとなく答えられるような気がしています。あくまでも私の場合は、ですが。

私は、披露宴を友人たちに向かって行いました。いままで病んだり、職を転々としたり、倒れたり、ビッチ化したり、また病んだりし続けて、心配をかけ続けていた友人たちに「なんとか私、自力でこの人を得まして、今後はこの人と生きていけそうです」と伝えたかったのです。
“披露”宴なんだからその結論は当たり前すぎるだろ、と聞こえてきそうですが、私はその当たり前のことすらよくわかっていなかったのです。ちゃんと伝わったかはよく分かりませんが、出席してくれた友人たちには概ね大好評の披露宴でした。

以上が、私の結婚式と披露宴での学びです。少しでも読者のみなさまのお役に立てれば光栄です。