今回のテーマは「夫婦の年の差」である。
私たち夫婦は、夫の方が3歳年上だ。誤差の範囲であり、これで驚く人はあまりいない。
日本には私たちのように夫の方が少し上、もしくは同年代、の夫婦が多いと思うが、平均寿命で言うと、女の方が7歳ぐらい長生きなのだ。
寿命バランスを取ろうと思ったら、実は女が年上の方が良いのである。
だが、女にとって旦那が死んでからの人生は「ボーナストラック」どころか、もはや「本番」なので、同時期、まして自分が先に死ぬなどとんでもない、という意見もよく聞く。
このように、昔から「女は旦那が死ぬと元気になる」と言われている。
まるで、女が男のエネルギーを吸い殺す生き物のようだが、これは性別の問題ではない。
ただ「クソ世話のかかるストレス源から解放され、エネルギーを自分のためだけに使えるようになったから」だけだと思う。
逆に「男は妻に先立たれるとすぐに弱って死ぬ」というのも、衣食住すべてを妻に依存していたため、妻がいなくなった途端、生活が非行少女のように乱れてしまうからだ。
また定年後コミュニケーションを取る相手が妻しかいなかったため、それがいなくなるとあっという間に孤立化し、心もやられてしまう。
つまりこれまでは、独身時代は母、結婚後は妻、と女が男の生活の世話をするのが当たり前だったため、生活能力のない男が残されると長く生きられない、ということが多かったのだ。
しかし、それもひと昔前の話である。
今では、自分で家事や家計管理ができる男も多い。
よって我々世代が高齢者になるころにはジジイとババアの垣根はあまりなくなり「ババアと見紛うばかりのジジイ」も増えているはずだ。
ババアに近いジジイは、ババアが死んでも自活でき、コミュ力もあるだろうから、そうそうすぐには死なないはずである。
現に我々夫婦は、どう考えても、生活力もコミュ力も夫の方がある。
私が先に死んだら夫は元気になるかもしれないが、逆だと私は、ほどなく腐乱死体で発見されると思う。
よって「男が死ぬと女は元気になる」「女が死ぬと男はダメになる」という定説は、今後徐々になくなっていくかもしれない。
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