「寂しさ」は精神に悪い

また「寂しさ」というのは単純に体が暇というだけではなく、精神にも悪い影響を及ぼす。

浮気をしない人に「何で浮気をしないんですか」と、死ぬほど頭の悪い質問をすると、小癪な人は「ワイフを愛しているから」などと答えるが、多くの素直な人は「面倒くさいから」と答える。

これに対し「モテないからしたくでも出来ないのだろう」と、幼少期に目の前で親がヤギに食われたのか、というぐらい捻くれたことを言う人もいるが、浮気をしない人は本当に浮気を「面倒くさい」と考えているし、実際浮気はすごく面倒なのだ。

まず、浮気相手に自分にパートナーがいることを納得させた上、もしくは隠して関係を持たなければいけないし、した後はそれをパートナーに隠さなければいけない。
1回きりなら良いが、継続的に浮気するとなると、バレるリスクが高まるので、巧妙に隠していかなければいけなくなる。
さらに浮気相手が「奥さんと別れて」など面倒なことを言い出さないようにケアしなければいけないし、パートナーにも疑いを持たれないように気を遣う必要がある。

もちろんバレたら、さらに面倒なことになるし、離婚や、慰謝料など法的にも面倒が起こる可能性すらある。

この時点で浮気をしない人は、面倒臭さのあまり、泡を吹いて倒れてしまうのだ。

普通だったらこんな面倒でリスクのあることするはずないのである。
しかし、人を「普通」じゃなくするのが「寂しさ」なのだ。
寂しさを埋めるためなら、面倒もリスクも問わなくなってしまうことがあるのが人間なのである。
恋愛もセックスも素晴らしい娯楽だが、身を滅ぼしたり、周りに迷惑をかける類のことなら薬物と同じでやるべきではない、そんな当たり前の判断をできなくさせるのが「寂しさ」なのだ。

よって、今後私に「浮気しそうになる瞬間」が来るとしたら、時間が出来てしまった時だ。
今まで「浮気」などという発想がなかったのも、仕事や二次元の男のことで忙しかったからだ

日々「忙しい」ことを嘆いている人も多いかと思うが、忙しくなくなったら「いらんこと」をしてしまう可能性が上がるのだ。

忙しいおかげでバカをやらずに済んでいる、と思えば、ある程度忙しさも必要なのである。

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