突然だが担当が変わった。
担当というのは「全員サイコパス」なことで有名である。
どこの出版社の誰担当がサイコパスという話ではない、担当界にはサイコパスとすごくサイコパスしか存在しないのだ。 そんな群雄割拠の担当の世界において、当連載の担当は「こんな奴が高速道路で後ろについたら自害するしかない」と言わしめるほどの脅威の煽り力で、何故か読者からも一目置かれていた存在である。
そんな担当の急死に私も驚きを隠せない。
ちなみに死後は自身もプレミアム会員になっている某P社でまた編集の仕事するらしいので、また会うこともあるかもしれない。
仕事では関わりがなくても、私はPで「推しカプの名前 r-18」で検索するのが日課なので、間接的に世話になりつづけることになる。
そんな担当の遺言とも言える最後のお題が「夫婦の晩酌」である。
ちなみに、担当から来た最後のあいさつメールを未だに完全無視している、今回だけではなく、連載が始まって以来、仕事に関係ない担当のメールは基本的に無視してきたので最後まで「通常運転」である。
しかし、あちら側も「新しい担当からその内メールが来ると思います」と言っていたが未だに来ていないので、この原稿を一体誰に出していいのかわからない。 最後の最後までお互いどうなっていやがる、という感じである。
提出先がわからぬため、この原稿が載るのかどうかすら不明だが、とりあえず言われた通りに書くしかない。
夫婦のアルコール事情
私はあまり酒を飲まないが、夫は良く飲む、ほぼ毎日晩酌をしているし、休日は昼間からビールを開けていたりする。
つまり、今でこそ我々夫婦は、だらしない妻の世話を夫が焼いているという状態だが、夫には「定年後アル中になる」という一発逆転が残っているということである。
我々夫婦の戦いは終盤まで目が離せない。
フリーランスというのは、無職かアル中、猟奇殺人者、もしくはその全部の総称だ。
1人でいることが多いため、つい飲みながら仕事をしてしまったり、またそれを止める人間もいないからである。
それを考えると私はアル中になる条件が役満で揃っていることになるのだが、惜しいことにアルコールがあまり体質にあっていないという致命的欠陥があった。
アルコールを飲むと気分が良くなることもあるのだが、その後頭痛や吐き気がくることが多い。
何より酒を飲むと職業が「おしっこ」に強制ジョブチェンジされ、酒の席でトイレに行って、席に戻るころには満タンになっているという、無限膀胱の持ち主になってしまうことが多いのだ。
居酒屋というのは、同じくジョブがおしっこになった戦士が集うため、トイレが空いていないことが多い。そのたびにトイレのドアの前で社会的選手生命をかけた戦いをしなければいけないのである。よって外では常に飲み過ぎないようにする必要がある。
というわけで、酒を好んで飲むメリットがあまりないため、私は酒をあまり飲まない、ちなみに味もそんなに好きではない。
夫と一緒に外食する時も、田舎は車がないとどこにも行けないため、私が運転手になり夫が飲むため、二人一緒に飲むということは、これから二人で車ごと海にダイブするから飲酒運転もクソもないという時しかありえない。
だが、二人とも酒飲みだったとすると、毎回どちらが運転するかで揉めるということになる。酒好きカップルも気があうかもしれないが、田舎の場合、どちらか片方が何のストレスもなく運転手を務められる方が上手く行ったりするのである。
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