菊池真理子×アルテイシア対談④「毒親育ちの子育てと、生きやすくなる方法」

『毒親サバイバル』は、毒親家庭で育った元・子どもたちの体験を描いたノンフィクションコミックで、アルテイシアも登場しています。
菊池さんもアルコール依存症の父に振り回され、14歳で母親の自殺を経験した、毒親サバイバーの一人。
対談には『毒親サバイバル』の担当ハタノさんにも同席いただきました。

毒親育ちと子育て

毒親育ちの子育てコラムの画像 edsavi30
アル

前回話に出た)父親からDVを受けて、クズとばかり付き合ってた女友達は、優秀なお医者さんなんですよ。
でも本人は自己肯定感の低さに悩んでいて、どれだけ年収やキャリアが上がっても満たされなくて。それで「自分が本当に欲しいものは?」と考え抜いた末に「子どもだ!」と答えが出たそうなんです。

菊池

なるほど。

アル

それで精子バンクを調べたら、精子1パック10万ぐらいしたそうなんですよ。
「妊娠するのに半年ぐらいかかるだろうし、お金かかるな」と思ってた時に、クズの元彼からたまたま連絡がきて、セックスしたんですよね。そしたら、その一発でできたんですよ。

菊池

すごい。

アル

大当たりでしょ?それで彼女は娘を産んで、生まれて初めて自己肯定できたそうです。「自分が求めていたのはこれだった」って。

菊池

子どもを産んで、憑き物が落ちたみたいになる人はいますもんね。

アル

『毒親サバイバル』の中でも、父親からDVを受けてきた女性が「娘に命をもらった」と語ってますよね。 

菊池

自己肯定の道はいろいろあるんですね。

アル

その友達は「損得なしに愛してくれる存在ができたことで、自分を肯定できた」と言ってたけど、私はそれが夫だったんです。

「毒親育ちでメンヘラな自分を変えなきゃ幸せになれない」と思ってたけど、夫に「べつに変わらなくていいんじゃないか」と言われて。「それでいいのだ」と全肯定されたことで、メンが安定しました。

菊池

わかります。私もこの年になってようやく「自分は人づきあいが苦手だ」とか言えるようになって。それを彼氏や友達が受け入れてくれたことで、すごく楽になりました。

アル

そのままの自分を肯定されることで、自分自身も肯定できるようになるんですよね。