アルテイシアさんのコラムに「結婚して親と法律上も別の籍になりたかった」と書いていて、その発想がなかったらびっくりしたんですよ。「結婚とは籍を抜くための積極的な手段でもあるんだ！」って。それで法律婚の有用性をちょっとずつわかってきた。

毒親育ちで「親と籍も離れて名字も変わって、1回リセットできたみたいな、生まれ変わったような気分になれた」という子は結構いますね。

だんだんわかってきたぞ、なぜ結婚するのか(笑)。今までは全くわかんなかったんですよ。「本当に怖くないの？」って、そればっかりだった。

事実婚も同性婚も夫婦別姓も法的に認められるべきだけど、私は法律婚を選んだし、改姓を選んだ。選べることが大事ですよね。
私は夫の名字に変えてよかったです。というのも、犯罪を犯した時に特定されないことを重視していて。

ネットで調べたら私の旧姓は4000人ぐらいで、夫の姓は42万人ぐらいいるんですよ。匿名性が高くなって嬉しい。

犯罪を犯さないようにしましょうよ(笑)

殴られたら殴り返せる自分でいたいので、鈍器で。

(笑)結婚の良さがようやくわかりました。でもそれは、アルテイシアさんみたいな人が言ってくれたからですよね。
今までは、モテ本とかの「結婚というゴールを目指せ」みたいな声が大きかったじゃないですか。だから本当に冗談じゃない、絶対イヤだと思ってたんですよ。

「結婚しろ」とか「子どもを産め」とか言われれば言われるほど「死んでもしてたまるか」と思いますよね。

本当にそうなんですよ。そう、その意地もあったかな。

私は「結婚＝幸せじゃない」「モテよりマッチング」と念仏のように唱えてますけど(笑)。
恋愛は選挙じゃないから、自分にピッタリの一票さえ見つければいい。「男に選ばれる」じゃなく「自分が選ぶ」という姿勢で、他人のモノサシじゃなく自分のモノサシで選んでほしいと思います。

そういう考えに至ったのは、やっぱりお母さんの影響が大きいですか？

そうですね。母はハイスペ婚したけど父に離婚されて、「男に選ばれる女でいなければ」という呪いに囚われたまま、拒食症で亡くなったので。

モテ本とかは「男に選ばれるのが女の幸せ」という価値観で「都合のいい女になれ」「ノーと言わない女になれ」と指南してますよね。それだとモラ男やDV男の餌食になっちゃうので。
なので私は「イヤなことはイヤと言おう」「ちゃんと怒ろう」と言い続けたいです。それによって、対等に尊重し合えるパートナーを選べるから。

ほんとそうですよね。私はDV彼氏と長く付き合ってしまったので。当時は「人は好きになったら殴るんだ」と間違った認識を持ってました。

お～だいぶ間違ってますね！(笑)

DV彼氏以外にもひどい人とばかり付き合ってきて、今の彼が初めて対等に尊重し合える相手だと思います。

初めてのキンタマ（金の卵）だったわけですね。菊池さんはどうやってだめんず沼から脱出して、今のキンタマ彼氏と出会ったんですか？