「質問に答えんかいワレー!!」
手術後、私の下腹はぽっこりと膨らんでいた。もともと腹は出ていたが、850グラムの臓器を摘出したのだから、多少はへこむと思っていたのだ。
それに絶食&腸内洗浄したこともあり、体重も3キロ減っていた。なのにWHYなぜに?子宮をとったのに妊婦みたいになっているのか?まさか宇宙人が…??
と疑問だらけだったので、回診にきたカッパ先生じゃない男性医師に「この下腹はへこみますか?」と聞くと「気にする人もいるけど、健康が一番ですから」と返されて、アルテイシアは激怒した。
「質問に答えんかいワレー!!」とモンスターに変身したかったが、警備員にハントされると困るので我慢した。
その後、カッパ先生に同じ質問をすると「今は筋肉を切ったからお腹が出てるけど、傷が治るにつれてへこむから大丈夫。帝王切開で赤ちゃんを産んだ患者さんも元に戻ってるからね」「傷が完全に治るまで、3ヶ月は腹筋などの激しい運動は控えてね」と答えてくれた。
チンポ先生…!じゃなくて、カッパ先生…!
私はアシリパさん(©ゴールデンカムイ)のように感動して、この先生が主治医でよかったと心から思った。
「健康が一番ですから」と屁みたいな回答しかもらえなかったら「もういいや、ネットで調べよう」と思ったかもしれない。そうやってネットで調べて、医学的根拠のない意見に振り回される人もいるだろう。
世の中には、病人にやたらアドバイスしたがる人が多い。
手術前、私は鉄剤のお陰でフラフラせず元気に活動できたのだが、「薬じゃなく食べ物で補った方がいいわ、毎日レバーを食べなさい」と勧めてくるレバーおばさんがいた。
レバーを毎日食べるとビタミンA過剰症を引き起こすリスクがあるため、プロの栄養士は「貧血予防にレバーを食べるとしても週1~2回が目安」と指導している。ビタミンA過剰症は妊婦には特にリスクが高いらしい。
そういった知識がなくレバーレバー言うてくる人は、無責任すぎるんじゃないか。
子宮をとると話すと「もともと必要な臓器をとるのはよくないわ!」と、やれオーガニックだ冷えとりだ中国針だ気功だと勧めてくる人がいて「面倒くせえな」と思っていた。
親切心でいろいろ言いたくなるのだろうが、「余計なことは言わない」のが一番親切だと思う。
そして病気の当事者が一番ほしいのは「○○病院の××先生は信頼できるよ」といった情報だろう。