「この街では犬こそ法律!」
世の中にはいろんな趣味をもつ人がいる。そこで「夫婦と趣味問題」について周囲にヒアリングしてみた。
担当のアサシン嬢は「うちは夫婦共にオタクですが好きなジャンルは異なります。腐女子の私は今まで買った同人誌が軽く1000冊は超えていて、ソシャゲ好きの夫は全国上位にランキングされてるそうですが、お互いどれほどの額をぶっこんでるかは知りません」とのこと。
“知らぬが花”の例文になりそうな夫婦だ。が、お互い金のことは詮索しないのが夫婦円満のカギなのかもしれない。そのかわり「一向に金が貯まらない」といった弊害もあろうが、その解決策は私も知らない。ティッシュに醬油をつけて食うなどして、節約に励むしかないのだろう。
TOFUFUのコラムで、カレー沢先生が「車好きの夫が1本2万以上するスタッドレスタイヤを買うと聞いて、変態じゃないかと思った」「それともそのタイヤは子安武人の声でしゃべるのか」と書かれていた。
私も車に興味ゼロなため、タイヤ4本に10万以上使うと聞いたら「変態か?」と思うだろう。だが、さらに変態じみた話を女友達から聞いた。
それは「知り合いの夫がバスオタクで、バスを買った」という話だ。
友人いわく、バスオタク氏は30人乗りのバスを運転してTSUTAYAに行ったり、親戚一同を乗せてお墓参りに行ってるらしい。停車中、たまにバス停と間違えて人が並ぶんだとか。
さらに「最近、所有していたバスをバス仲間に売って、さらに大きなバスを買ったらしい」との追加情報も得た。
人生で一度もバスに注目したことのない者としては、夫から「バスを買いたい」と言われたら「そのバスは石田彰の声でしゃべるのか?」と聞きたくなるだろう。
とはいえ、家計が破たんしてバスで暮らすような事態にならなければ、けっして悪い趣味ではない。「笑ってはいけないシリーズ」の刺客バスもやろうと思えばできる。バスオタク氏の妻もバスに興味ゼロだが、夫の趣味を受け入れているという。
ただし、夫の側が「なに、バスより電車が好きだと?そんな奴は打ち首だ!」とか言いだすと問題だ。
自分が理解できないからといって、人の好きなモノを否定するべきじゃない。かつ、自分の好きなモノを人に押しつけないことも大事だろう。
昔、タラレバ娘の主人公が「SATCを否定する男とは付き合えない」といいつつ、相手の好きな映画を否定する場面を読んで「おまえは狗法眼ガルフ様か」と思った。
狗法眼ガルフ様とは「この街では犬こそ法律!」と圧政で民を苦しめる犬好きの暴君だ(実在の人物ではなく、北斗の拳の雑魚キャラ)。このガルフ様のように「犬より猫派なんだよね~」という民を不敬罪で捕らえて死刑に処してはならない。
何を好きになるかは個人の自由なのだから。
私の友人にテッシュに醤油をつけて食ってでも靴を買う、靴オタクの女子がいる。
彼女はハイブランドの靴をコレクションしており、しかも「履くのではなく眺める派」とのことで、靴とは何か?と概念から考えさせられる。
彼女の夫は靴に興味ゼロだそうだが、「なぜこの尊さが分からぬ!貴様もこの靴を愛でろ、舐めろ!」と強要しないことが大事なのだ。
ちなみに夫はゲームオタクらしく「夫婦で趣味は全く違うけど、何かを深く愛する気持ちは理解し合える」と話していた。
それでは、趣味が完全に一致している夫婦はどうなのか?