オシドリ夫婦なはずの我が家の場合
では、私たち夫婦を例にしてみよう。
まず結論から言うと、私元鈴木は明らかに浮気をしている。
京王線で出くわす明大ラグビー部員を横目に、心の中で「生きてることが善行!君のママに感謝!」と思うし、
デカイ筋肉雄野郎が歩いてくれば「破壊と創生の化身!筋肥大の才能に乾杯!!」と心の中で熱いエールを送ることが多々あるのだ。
ちなみにそういう時、人食い鬼もビックリだった独身時代なら取って喰っていたかと聞かれれば、空腹具合によってはもしかすると取って喰っていたかもしれない…。
よって、私は広辞苑的に言えば黒なのだ。
またゴリラに関しても同じく浮気をしていると言える。
例えば以前、2人でニトリをぶらぶらしている時に、180cmはあるであろうモデル美女が目の前を通り過ぎて行った。
私が「すっごい美人だったね!」と言うと、ゴリラは「ね!俺くらい身長あった!」と返し、しばらくキョロキョロしていたのでもう一度二人で美女を見に行ったことがある。
私は大概美女を見逃さない。
この時だけでなく、いつもデート中に「今の見た?すごい美女!」とゴリラに言うと「うん、綺麗だったね!」と大体返ってくる。
うちのゴリラもちゃんとよそ見しているのだ。
つまり他の異性に、多少でも心を動かされている…。
美人のチラ見すら許さない広辞苑の、「他の女のこと良いなと思ったらそれはもう浮気だからああああ!」というヒステリックな主張にうちのゴリラすら当てはまるのである。
ということで、エスカレーターに乗る度に人目を盗んでいちいちチュッチュウフフしてるような一見仲の良い私達夫婦も…
広辞苑に言わせれば、とんだ浮気者夫婦だったのだ。
広辞苑的な浮気は誰にも止められない
広辞苑的な『他の異性に気持ちが傾く浮気』は、残念ながら防ぐことはできない。
何故なら美しいものは美しいし、デカイ筋肉は事実デカイからだ。
逆に、想像してみてほしい。
美術館でどんな美しい絵画を前にしても「〇〇ちゃんのほうが綺麗だよ…」と言って美術品に興味を持たないデート相手を。
極端な例だが、あなただけを見てよそ見を一切しない人間はというのはつまり、
自分が認めた1つのこと以外の魅力を認めない人間ということなのだ。
そんな人間は、果たして魅力的だろうか?
人を美しいと思う心は誰にも止められないし、私が雄っぱいを尊いと思う心は自分自身にも変えられない。
教会に懺悔しに行く人がいなくならない理由とも少し似ている。
罪だと分かってても、心は止められないから人は悩むのだ。