先日、担当の弁護士との面談時のことだった。
「そういえば、今度10年前に付き合っていた人の結婚式に出るんです」
と180cmの長身かつ世に言うイケメンな彼は言った。
成長を見てやるし見せてやるって思います(笑)と語る彼と、「いやー10年はエモいですねぇ…」と言い合った。
私も最近、10年前に付き合っていた人と同窓会をする機会があった。
なので彼の10年のエモさが分かるような気がした。
今でこそ落ち着き払った人妻だが、10年前の私はとんでもないクズだったので、エモさもひとしおだったのだ。
4股していた私
当時、私は齢20にして4〜5股をこなしていた。
(細かいのを含めたら6股だったかもしれないがもう数えるのをやめた。)
なぜそんなに沢山の男がいたかといえば、性的衝動を我慢できなかったことが理由として大きかった。
初めてのデートは、3杯目のカルーアミルクを飲んでいる頃に「絶対に今日はおまえの中身を見てやるぞ!」という謎の闘志が燃え上がってくるのがお決まりだった。
思い出してみれば、その時期の私は、全員最初のデートで巧みにベッドまで誘い込んでいた。
突撃!隣の晩ごはんの勢いで気軽にお宅訪問していた自分に、我ながら呆れるばかりである。
そういった背景もあり、「みんな付き合うなんて言ったけど、誰も私なんかのことまじめに考えてないだろうなぁ〜」と思っていた。
よし!ならいっそのことローテーションでまわしてくか!と開き直り、次第に『彼氏』という存在が1人また2人と増えていった結果が4股なのだった。
クズ以外に、もはやなんと形容したら良いのか分からない。
そんな調子だったので『まともに付き合った男』と呼べるのは、夫のゴリラ以外には後に出てくる明大ラグビー部くらいしかいなかったと思い込んでいた。
しかし、最近それを覆す出来事が起きたのだ。
歳上の元カレ
その人と私は、20歳の頃に付き合っていた。
EXILEにひとりいそうな感じの筋肉雄野郎なイケオジだ。実年齢より10歳は若く見えたので波紋使いだと思っていた。
若い頃の私は歳上の筋肉雄野郎がやたら好きだった。
真田広之だとかマークダカスコスだとかロック様の大ファンで、美味しそうなイケオジがとにかく大好物だったのだ。
(ちなみに、我が夫であるゴリラは見た目に反して1つ歳下だし、現在は逆に若い男が好みだ。私はどうやら順調にクーガーに寄ってきているようである。)
そんなイケオジとは割と長く、2年ほど付き合っていた。
しかしある日、私は19歳の明大ラグビー部の男の子と真剣に付き合うことを決め、アッサリ別れた。
別れたというか、何も言わずに連絡を絶った。
イケオジは、フェロモンで目が染みるようなセックスアピール強めの見た目だったためか、非常にモテた。
なので、きっと他にも女がいるだろうし、私くらい消えても問題無かろうと思ったのだ。
そしてバツイチだった彼には結婚願望がなかった。
いつか結婚をしたかった私は、自分の未来を考えたときに、彼との将来が見えなかった。
さらに、自分に足りない『真面目に男の子と付き合う経験』の必要性を感じていた。
そういったことから考えた結果、明大ラグビー部に乗り換えることを決心したのだった。
…もう皆様充分お分かりになったと思うが、私は打算的でエゴイストなどクズだったのである。
しかし、そんな風に終わりを迎えたイケオジと私は、ある日ネットで再会することになる。