女子校時代の理想の男性、津川雅彦

 昨日、津川雅彦が78歳で亡くなっていたのをニュースで知り、ああ、またしても私の子供時代を彩る俳優さんがいなくなってしまった、と呆然としました。

 津川雅彦といえば、中学生のときクラスで突然のブームが巻き起こり多くの同級生が彼に夢中になり、私もセーラー服でサイン会場に並んだこともありました。小さな女子校ではたびたび奇妙なブームが発生しクラス全体に波及することがあるのですが、この津川雅彦ブームはしばらく続いた記憶があります。

 当時、伊丹十三監督のヒット映画に彼が立て続けに出演していたのと、彼が経営していたおもちゃのセレクトショップ「グランパパ」の支店が私たちの学校の近くにオープンしたのがキッカケだったと思います。ローティーンの私たちにとっては、伊丹映画は程度に知的で適度にエロくて、なんとなくオシャレな雰囲気で、ワイワイ集まって鑑賞するにはうってつけでした。私たちは伊丹映画を見ては津川雅彦を「セクシー!」と称賛し、仲間の誕生日が来ればグランパパで良質なギフトを物色する、といった平和な青春時代を過ごしたのです。

 当時でもすでにアラフィフだった津川雅彦は私たちの理想の男性でした。でも、なんで、津川雅彦だったんだろ。たぶん、彼の奥さんが朝丘雪路だった、というのも大きかったように思う。