今回のテーマは「最近あった夫婦間でテンションがあがった出来事」である。
これは「未だかつて一度もない」と言っても過言ではない気がする。
そして、その原因は「お互いテンションが低い」せいだと思っていたが、最近そうではないとわかってきた。
私も表面上はテンションが低いように見えるかもしれないが「呼符で出た」など、日々些細なことでテンションはフルテンになっているのである。
ただ、その表現方法が「ウェーイ」ではなく「ンフッ…」仲間とのハイタッチではなく「Twitterにスクショを載せる」なだけである。
もし夫がその報告に対し、無言で両手を空に掲げるハイタッチポーズからの拳握り込みダブル振り下ろしパンチ、というリアクションを取ってくれるなら私もTwitterではなくまず夫に言うと思う。
しかし夫にそれを言ったところで「まず呼符ってなんだよ」という、微妙に寒くて出られなくなる風呂の湯みたいな温度でしか返してこないのでイチイチ言わないのだ。
基本的に夫は私の漫画が賞を受賞した、テレビで紹介されたと言っても、同じ38度風呂リアクションしか返さないのである。
先日急に飛び込んで来た「私の実家の近くに猫カフェが出来る」という「デススター出現」級のニュースにすら同じ温度であり「これは行かねば」という、教育納税勤労を超える当然の義務提唱に対しても「行かねばならないのか?」という非国民反応しか返さなかった。
これは私と暮らすことにより感情が死んでしまい何が起こっても心が動かなくなってせいもあるかもしれない。
だがそれよりも「テンションの上がりどころ」がそもそも違うせいなのではないか。
逆に言えば夫もテンションが上がる時はあるが、それに対し私がいかにも腸が冷え切っている奴の屁みたいなリアクションしかしないので言わないだけかもしれない。
私といるときは全くおどけない夫だが、テンションの上がりどころが同じ人間と一緒にいるときは一人称が「拙者」語尾が「ですぞ」になるなど、違う一面を持っているのかもしれない。
また付き合いが長くなることにより、良くも悪くも「気を使わなくなった」せいもあるのではないか。
リアクションテクニックとして「合コンさしすせそ」というのがある。
もちろん我々陰キャの間では「刺すぞ」「死ぬのか」「スコペッソイ」「せそは思いつかなかったので割愛」だが、その場を取り繕う気がある人間の間では「さすが」「知らなかった」「すごい」「背毛」「そうなんだ」となっている。
これは全て「感嘆」であり「あなたの言ったことに対し私のテンションは上がりました」というリアクションである。
つまり、相手が面白いと思って言っている以上、例えそれが「昨日見た夢の話」など、何かしゃべらなければ死ぬ逆クワイエットエクスプレス状態でないと許されないシケた話題でも「面白がっているフリ」をするのが社交辞令であり、それが上手い人間ほど好感度は高くなる。
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