女友達と飲んでいたときのことです。話題は主に彼女の愚痴で、配偶者が一応は家事を分担してやってくれるけれども、そのやり方が雑で気に食わないとか、義実家に行くと気を遣うから行きたくないのに、定期的に顔を出さないといけない……といった話。それに対して「家事のレベルに満足いかないのならば、育てるか目をつぶるかのどっちかしかないのでは?」「あなただけ行ってきて、でいいのでは?」と思いつつも口には出さずにうんうん大変だねとひたすら同調して頷いて聞くしかないのは、彼女はそれができないから愚痴っているわけで、ようするに解決策よりも共感が欲しいということが、わかっているからです。
その日の彼女の愚痴の大ネタは、配偶者が男友達とともに、ガールズバーに行っていたことが判明したことでした。しかもちょっとセクシー系のガールズバーらしく、女の子のパンチラサービスとか、股間にバナナをあててそれをパックンチョしてもらうゲームなどがある店らしい。「おお、楽しそうじゃん、行ってみたい」という本音は胸内に閉じ込めて、ひたすら彼女の嘆き怒り謗りを聞くことに徹していたのですが、ふと思ったのは「なぜ人は、パートナーが自分以外の異性と性的な接触をすることを嫌がるのか」ということです。
というのも彼女から、配偶者とはすでに長い期間セックスレスで、生活のことがあるから離婚はしないけれども、愛情もほとほと醒めているとも聞いていたからで、ならば他の女性と性的な接触があっても、別にいいのではないか。借金してまでガールズバーに通っているのならば、生活に関わってくる部分だから彼女にとって都合が悪いのはわかるけれども、今さらセックスをする気もない相手の性的な欲望を制しようとするのは、どうしてなのかを考えてみたところ、ふたつの仮説が浮かびました。
- 1
- 2