仕事の話題を愚痴りたい妻、愚痴りたくない夫

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こんにちは、斗比主閲子です。

前回、「夫婦間での話題が偏っていたら、お互い理解できることがないのは当たり前」という記事を書きました。

特に、一日の大半を占める仕事が話題として登場しない傾向があることも触れましたが、では、実際に、家庭で仕事の話題が出るものかといえば、なかなかそんなことはないですよね。

私は仕事の話をパートナーにします

私は仕事のことをできるだけパートナーに話すようにしています。もちろん守秘義務があるようなことは話題にしませんけど、仕事上で出会った人や仕事の内容とかもできるだけ伝えます。

私が仕事の話を配偶者にするのは、一つは、誰かに話したくてそれを実際に話すことで楽になれるというのがあります。誰かにまったく否定されずに、自分の辛い話ができるのは、凄く意味があることなんですよね。

これは実体験だけじゃなくて。

私は、だいたい週に3人ぐらいのブログの読者からメールをもらいます。内容は、離婚とか離婚とか離婚とかまちまちですけど、皆さん、これまで誰にも話したことなく、私にメールを出したことでスッキリされるようです。

メールのやり取りがきっかけで、身近な人が亡くなったことから立ち直るためのグリーフケアや、DV・虐待経験からどう回復するかなど、様々なメンタルケアの方法を勉強する機会があります。

私自身はコーチングが好きで、体験を言葉にして語ることが有用だというのは知っていましたが、そういうメンタルケアの現場でも言語化は大切なことだとされていようです。

今の自分の状態を知ってもらいたい

仕事の話をするもう一つの理由には、家庭を運営する上で、今の私の状態がどうなっているかを配偶者に知ってもらいたいというのがあります。

いつ休暇を取るかだって仕事次第のところはありますからね。自分がめちゃくちゃ忙しいのであれば、それは忙しいと伝えた上で、家事育児の分担や外部へのアウトソーシングも検討しないと後でしっちゃかめっちゃかになる。

もちろん、仕事の収入の話も大事。家をどうする、子どもを何人持つ、子どもにどんな教育を提供する、どう資産運用する、介護費用はどうする……など、家族を運営しようと思えば、お金の話はつきものです。

仕事が上手くいっていないのであれば、それを共有しないと、支出を抑えるとか打開策を実行することもできません。

自分が楽になるだけではなく、仕事が家庭にどれくらい影響があるかを知ってもらうために、私は仕事の話をパートナーに伝えています。

仕事の話をしたくないときもある

ただ、毎日毎日仕事の話をたくさんしたいかと言えばそんなこともありません。

まず、あまりに疲れ切っているとき。そもそも口を開くことさえしんどいので、話すより先に休みを取ろうとします。

他には、つまらない話題でパートナーが楽しめないなと思ったとき。オチのない会話じゃないですけど、ただ淡々と他人の話を聞くのは大変なことですから、あまり面白いストーリーにならないネタは伝えません。

私はこんな感じですが、配偶者に仕事の話をしたがらない理由としては、一般的に、プライベートと仕事を分けたいからプライベートでは仕事の話をしない主義があるとか、仕事の辛いことは自分が背負うもので家族に弱いところを見せたくないとか、そういうのも考えられると思います。

どちらかといえば昭和のお父さんの価値観に近い感じでしょうか。そうだとすれば、話したくても話せないという可能性はあります。

聞き手は否定せずに、じっと聞く

昭和のお父さんのように一家の大黒柱だと期待されていると(期待されていると信じていると)、仕事の愚痴や仕事が上手くいっていないことを家族に伝えにくくなるんですよね。家族に余計な不安を抱かせたくない、みたいな。

私は、このような考え方は取り越し苦労だと思っています。

実際は、大黒柱であっても常に盤石だというわけじゃないし、家族が何のためにいるかと言えば、みんなで支え合うものですから。

例えば、仕事が上手くいかないからと家族に言わずに辞めてしまうと、家族もどう支えたらいいか分かりません。「仕事がしんどくて辞めたい」と前もって言ってくれていたら対処のしようもある。

ただ、自分の弱いところをさらけだすのは怖いことなんですよね。「仕事がしんどくて辞めたい」と伝えて「家族がいるんだから甘えないで、頑張って続けてよ!」という反応も考えてしまうと、なかなか伝えにくい。

配偶者が自分に話をしてくれないことがあるときは、単にその話題が自分向けではないこともあるでしょうが、自分と話すのに安心感を持っていないことが原因なこともあります。これは、どちらかが悪いわけではなく関係性の問題です。

聞き手のスタンスとして、相手の話を否定せずに、耳を傾け続ける。

当たり前のことなんだけれど、お互いに話しやすい環境を作るためには大切なことですよね。

Text/斗比主閲子

初出:2017.10.25