同じ相手と1億回セックスしてビンゴカードの穴をあけていく楽しさ/長井短×佐伯ポインティ(前編)

女優・モデルとして活躍するかたわら、AMの人気連載「長井短の内緒にしといて」で恋愛コラムを執筆している長井短さんと、株式会社ポインティでCEOを務めるエロデューサーの佐伯ポインティさんによる対談を敢行。お二人が思う“素敵ビッチ”像や、パートナーとの愛の深め方について語っていただきました。

“ビンゴカード”の穴を一緒に開けていきたい

――お二人はいわゆる“ビッチ”と言われる方に対してどんなイメージを持っていますか?

ポインティ

セックスに対して積極的な“ビッチ”は、その人のスタイルだからいいと思うけど、寂しいからセックスするしかない、っていうのはビッチとは違いますよね。一時期Tinderをしてた時に、ただ電話したいとか、一緒に飲みに行ける人がほしいみたいな人が多かったんですよ。そういう人って寂しさを解消するために、手っ取り早く恋愛やセックスをしてるんじゃないかなって。

長井

なんかそのためにセックスが使われると、セックスが気の毒じゃないですか?セックスに感情があったら、「これもセックスになっちゃうのか……」って思うだろうなあ。

ポインティ

セックス側からするとね〜(笑)。なんかもっとポジティブにセックスを楽しめる人が増えたらいいよねって思う。

長井

前にAMのコラムで書いたけど、人数を重んじるタイプの“ビッチ”だけじゃなくて、質の高いセックスをしている人も“ビッチ”でいいと思うんだよね。

ポインティ

麻雀に例えているやつだ(笑)。

長井

そうそう。どんどん新しい人とセックスしたい性癖の人もいてもいいけど、やっぱり私はリーチのみじゃ嫌なんですよ。同じ相手と開拓し合って、一億回セックスする人も“ビッチ”として認められてもいいはずなのに、経験人数が少ないと“つまらない人”って思われがちじゃないですか。

ポインティ

いつも色んな人の猥談を聞いているけど、100人と1回ずつセックスしてる人より、1人と100回セックスしてる人が話す猥談の方が面白いんですよ。物語だって、読み切りの100話と連載の100話では、後者の方が感動の振れ幅が大きいと思うんですよね。

長井

初めての相手とするセックスって、その人のことをまだ何も知らないんだから新鮮で楽しいのは当たり前じゃん!って思っちゃう。逆に、相手のことをよく知っているからこその楽しさもあるじゃないですか。最初は相手が攻める側だったけど、だんだんあれ?この人、もしかしてMなのかなって気づいて、立場が逆転するとか。関係が変化してからのセックスって、すごく豊かだと思う。

ポインティ

そうそう。そこから二人だけの文化や癖が生まれてくるし、何より突飛な欲求を初対面の人には言いづらい。全然聞いたことないけど、部屋のドアノブを挿入されたいとか。そういうユニークな一面は、関係を長く続けていくうちに出てくるものだよね。

長井

ビンゴカードに穴を開けるみたいに、二人で体験したことをどんどん増やしていきたいですよね。これもやった、あれもやったって。

ポインティ

毎回、真ん中だけ開けて終わっている人いますもんね。それ誰でも開けられるフリーの穴だから!って(笑)。

長井

真ん中だけ開けたい人もいていいとは思う。私はそのタイプじゃないけど、それはそれで図鑑みたいで楽しそう。

ポインティ

うん。でも極端に「ビンゴの会場もうこんなに周ったわ〜、ビンゴしてないけど」みたいなのが一番面白いっていうことにはしてほしくないよね。だいたい経験人数の話になると、微妙な雰囲気になりがち。そこは人それぞれで。