30歳からが人生の本番だから「整形」をしました/oyumi

唐突だがつい先日のこと、6月7日に人生で初めて整形をした。埋没整形である。正確には「してしまった」のほうが合っているような気がする。
……というのも、美容整形外科へ駆け込んだ前の日は、嵐のような1日だったのだ。

まずは言い訳として、その嵐の説明をしておきたいと思う。

おゆみ

6月6日、あの日は久しぶりにピリピリしていた。PMSより症状が重く、タチが悪い月経異常をみなさんはご存知だろうか?

その名はPMDD(月経前不快気分障害)。私がこいつのせいでやらかした奇行は、根性焼きや半裸自撮りなどなど数知れない。PMSとは違ってPMDDには抗うつ剤が有効とされていて、私は心療内科で生理前のために抗うつ剤と安定剤を出してもらっている。安定剤は、どうしても内や外に攻撃的になってしまうのが抑えられないときだけに飲む。

なんとなく私は抗うつ剤を飲みたくないと思うようになっていて、5月の半ばごろから漢方に切り替えて少しずつ量を減らすなどして調整をしていたのだ。嵐はその矢先だった。

生理前のPMDDによる精神状態は、嵐そのものというよりは、その嵐によって堤防が決壊するのをわずかな理性で必死に抑えている感じだ。決壊したら理性がなくなって、自分が嵐という名の怪物になってしまう!! まさにギリギリの戦いなのである。そのギリギリの戦いの中、とうとう決壊してしまった。

直感的にヤバイと感じた私は、急いで頓服をドカ飲みしたのだ。いわゆるオーバードーズである。(ちなみに何がヤバイかというと、物を壊したり自傷したりしてしまう危険があるからだ。実は今回のせいでiPhoneの液晶が割れた。)
ODするとどうなるのかというと、基本はハイになる。元気で、優しい気持ちになって、前向きに、笑顔が多くなる。そして、いつもより行動力が上がってしまうのだ。この行動力によって奇行に走ってしまうのであった。

行動力が上がった結果…

気が付いたときにはすでに二重に……
とまではさすがにならないが、手術室みたいな狭い部屋の中で一人、保冷剤を持たされ腫れたまぶたを冷やしているときに、やっと我に帰った気がする。
今になって思えば、確か6日の夜に友人が住む所沢へ行って一泊して、そこから直で病院へ行ったのか、いったん帰ったのか思い出せない。そもそも所沢から電車に乗った記憶すら抜けている。もちろんそれはODのせいだ。

おゆみ

今回私がやった整形は埋没。とっても簡単で、糸でまぶたの皮膚をちょちょいと縫うだけである。メスを入れたりシリコンや軟骨などを入れたりしたわけではないので、整形したという実感は正直あまりない。

たった数ミリ単位の差、しかも元々一重だったというわけでもない。親にもバレてるのかバレてないのかわからないけど何も聞かれない。下手したら自己満足に終わってしまうかもしれない。
いわゆるプチ整形というのは、そんな誤差レベルの世界だと思う。でも、そんな誤差でさえ世界がいつもより輝いて見えてしまうのだ。

おゆみ

いつもなら朝起きて鏡を見るときなんて「あ〜あ、今日も片目が腫れてて一重だ……」とイライラしていたものが、糸が切れない限り二重なのでその心配はもうない。いまや鏡を見れば自然と笑顔になってしまう。