在宅で作りたいのはブリ大根。「アラサーに今おすすめの趣味」/中川淳一郎

料理

今回のテーマ「アラサーがいま始めるといい趣味」
今、自宅での時間が増えたことで「何か新しいことを始めたい!」という波が来ています。できることなら今後の人生にもプラスになる趣味が始められるといいなと思います。在宅で始められる楽しい趣味があればぜひ教えてください!

まずは「料理」がおすすめ

こりゃ、「料理」がまずは良いと思います。この1ヶ月ほど一切の外食がなくなり私は1日2回料理をしているのですが、まったく太らないばかりか野菜が多いこともありどんどん健康になってきております。朝ごはんを食べた後はその日の午後のおやつ(酒のつまみ)、夕食、翌朝の朝食を何にするかを考え始め、これが本当に楽しいんですよ。

料理については4月末に料理本を書き終え、今は編集者に見てもらっている状況です。コロナのせいで自炊が増え、本まで書けてしまったという状況です。もちろん、コロナの前にこの企画は決まっていたのですが、改めて「料理」が趣味で良かったな、と思う次第です。しかも、野菜が多いものだからクソがブリブリと出て、とにかく“毎日デトックス”状態です。ぜひ、今のうちに「料理って楽しいな~」という感覚を味わってください。

そのときに良いのが煮物です。それなりに完成させるには時間がかかるので、酒を飲みながら完成に近付けていく。ブリ大根、ミートソース、カレー、キーマカレー、タンシチューなんかをじっくりと作るのがいいと思いますよ。

今まで好きだったものは嫌いにはならない

さて、若い頃の趣味というものは、長い人生を考えたら案外無理があることが多いです。それこそ「合コン」や「エロ」みたいな趣味を持つ20代がいたとしても、正直これは40歳を過ぎるとかなりキツいです。配偶者がいる場合はまず無理ですし、この2つについては若者に勝てないんですよ。だからこの2つについては一生の趣味にするのはちと難しい。自分自身のことを考えても「なんで27歳のときのオレはこんなにできたんだよ!」と47歳になって思います。

そんな中、かなり逆説的な話になるのですが、私は今、「無趣味で良かった」といった感覚を覚えています。自分にとっての趣味はせいぜい「ニンテンドーDSの『3DS三國志』をする」と「椎名誠・東海林さだお・『美味しんぼ』を何度も繰り返して読む」ぐらいしかありません。あとは料理です。

徹底的にこのゲームをし、このお3方の本を読むことにより、知識は狭く深く充実していく。今回のコロナによる外出規制については「本当に好きなものを極める」という形にすればいいのではないでしょうか。

アラサーの場合、ある程度好きなものはもう固定されていると思います。これから新しいことをやってもあまり実りはないし、元々好きだったものは嫌いにはなりません。私は1983年~1989年の『週刊少年ジャンプ』が好きなのですが、それ以降ジャンプを読んだことは一度もありません。だから、漫画喫茶に行っても結局『キン肉マン』『北斗の拳』『銀牙-流れ星銀-』『星闘士星也』『魁!男塾』『ハイスクール!奇面組』『きまぐれオレンジ☆ロード』『ウイングマン』のように当時連載中だった作品のコミックス版を読みます。『ONE PIECE』とか『鬼滅の刃』なんかも読まないし、面白いと評判の『きのう何食べた?』も読みません。少女漫画においてもその後好きになった女性から勧められた『麒麟館グラフィティー』(1995年に連載開始)しか読みません。

そして、音楽についてもかなり固定化しており、1992年より後に発売されたCDは、ほぼ買っていません。それは『ファイナルファンタジーVI』のサウンドトラックなのですが、これだけ。いや、2000年にバンド・globeの全国ツアーについていくという仕事があったのでglobeのCDは買いましたが、本当に音楽の趣味も1992年以前のアメリカとイギリスのハードロック及び『青葉城恋唄』みたいな昔の日本の歌しか聴きません。YouTubeでも、1992年以前の歌しか私にレコメンドしてくれないようになっています。過去には「33歳から新しい音楽を聴かなくなる理由とその対策」(アゴラ・黒坂岳央氏)という記事が出たように、私も「34歳になると新しい曲を聴かなくなる」といった言説は過去に聞いたことがあります。

最近、『パプリカ』という曲が流行ったようなのですが、一度も聞いたことがありませんし、「あいみょん」とか「米津玄師」の歌も知りません。『ボヘミアン・ラプソディ―』でクイーンの曲が再評価されましたが、クイーンの曲は全部聴いています。