「石の上にも三年」って本気?知らない人のコトワザをいつまで引きずってんだよ

妹尾ユウカ

「仕事が本当に嫌でやめたいんですけど、どうしたらいいですか」「学校生活がうまくいかなくて、つらいです」

日々、こういった悩みが私の元には寄せられてくる。これらに対して、私はシンプルに「やめたらいい」「逃げたらいい」そう思っている。

もちろん、それは簡単なことではないけれど、つらい状況に身を置き続けて、自分がわからなくなってしまったり、我慢することに慣れたりしてしまうことを、私は恐れている。人間は、良くも悪くも環境に順応する生き物だから。

昔、中学校が世界のすべてで、社会だった

私は中学生の頃、イジメに遭っていた。この頃は、この世界でどう生きていけばいいのか分からなかった。自分は劣っている人間で、ダメな人間だと思い込んでいた。
しかし、母から「学校に行かなくてもいい、その代わりに自分の輝ける場所を見つけなさい」と言われ、親公認の不登校となり、学校の外で中学生でもできるインターンを始めた。

その日から、私の生きる世界は変わっていった。ここには、私のように学校では馴染めない子、中学生ながら就活のことを考えてインターンを始めた子、学校生活が充実しているが学校外にもコミュニティを作りたい子。さまざまな事情の同世代の子が集まっていて、私より優れた才能の持ち主がたくさんいたけれど、自分が劣っていると感じたことは一度もなかった

それはきっと、それぞれのいい所を認め合い、人の欠点も「個性」として認め、互いの欠点は補い合うことが自然とできていたからだと思う。学校とは違い自由意志での参加なので、「嫌ならやめる」という選択肢があったことが心の余裕に繋がっていたのかもしれない。
中学生ながら、みんな大人よりもオトナだった。

中学生の私にとって、中学校は世界のすべてで、社会だった。ここで馴染めないのは私がダメな人間だからだと決めつけていたが、そうではないことをこのインターンを通して学んだ。