魔性の女の条件

それまでも、「すっごく可愛いわけじゃないけど、モテる」子には何人も出会ってきた。けれど彼女らはものすごく気遣いができたり、雰囲気をつくるのが上手だった。そこに当てはまらない Uちゃんのモテ方は、当時は理解できなかったけど、今になってはなんとなくわかる。Uちゃん、自分のことが大好きなのだ。

「わたしなんて……」みたいなウジウジしたところが一切なくて、いつでも自信満々で、「こんなことしたら嫌われちゃうかな」的な迷いもほとんどない感じがした。だから、やりたきゃやるし、やりたくなきゃやらない。
何か不愉快なことがあったとき、「でも、わたしにも悪いところが」なんて自責をしてしまう女の子は多い。が、Uちゃんは自責の前に「は?」だった。他人から見たら逆ギレであっても、「わたしが不愉快だった。だから怒る」という素直さは才能だったのかもしれない。

Uちゃんは自分が好きだったし、すごく自信があったんだと思う。他人の承認を材料にしていないから、誰に嫌われても自信は揺らがない。どんなイケメンと話していても媚びたところがなく、まっすぐ目を見て話せていたのも、その自信による作用だと思う。

大学生活も後半になると、女子の「あの子に引っかかる男も引っかかる男だよね」という空気が伝わったのか、学科内の男子からのモテは多少勢いを削がれた。けれど Uちゃんのフットワークは軽く、狩場を他学科・他大・バイト先などの外に移しただけだった。

Uちゃんの振る舞いは、漫画の中の超絶美少女みたいだったな、と思うことがある。自分主体で他人をかき乱したりと現実世界では箍が外れすぎていたことばかりけど、根拠のない自信には学ぶところがある気がしている。

「人の見た目はパッケージ」だと言うけれど、その上をきれいにラッピングをする効果が「自信」にはあるのかもしれない。だから質素なパッケージでも、奇麗な紙やリボンで飾れば、何だかいいもののような感じがする。

わたしにとっての魔性の女。
それは根拠のない自信を持ち続けられる女、である。

Text/白井瑶

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