あなたのセックスと愛はかみ合っていますか?『パリ、ただよう花』

 セックス=愛に到達するまでの距離とは一体、何なのでしょう。
そもそも、愛って言葉自体が曖昧でフワフワしている。漂っている。その名の通り、パリでただよう花・ホアは様々な男性の「愛」に彷徨っている。

 カギカッコをつけたのは、もちろん皮肉の意味。だって、出てくる男が痛々しい。愛には程遠い「愛」をホアにぶつけ続けている。これはカギカッコの中から抜け出したい女性の視点から描いた、「愛」の物語です。

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 過激かつ繊細なタッチの作風で、これまで数々の作品を世に送り出してきたロウ・イエ監督が今回初めて「原作モノ」を手がける。主演はコリーヌ・ヤン、その相手役はタハール・ラヒム。暗く繊細なホアと、明るく活発なマチュー。正反対な性格の二人をそれぞれが演じ、幾度となる過激なセックスシーンに挑戦しています。

どんなにセックスを重ねても、愛には届かない

 【簡単なあらすじ】
 北京からパリにやって来た教師・ホア(コリーヌ・ヤン)は、恋人に捨てられて街を彷徨い歩いていると、建設工のマチュー(タハール・ラヒム)と出会う。互いに惹かれ合い、二人はあっという間に身体を重ねあう。
ある日、ホアはマチューの仕事仲間にレイプされる。なんと、マチューが他の男と寝るのか確かめようと持ちかけていたのだった。ホアはマチューに別れを切り出すが、彼は「別れるなら死ぬ」「結婚しよう」などと執着を続ける――。