女子同士の友情は終わらない!『サニー 永遠の仲間たち』

 韓国で昨年公開されると同時にクチコミで広がり、740万人動員の大ヒットを記録した本作。
1980年代と現代のソウルを舞台に、7人の女性たちが大切な何かを取り戻していく友情の物語です。
主演は、2002年にカンヌ映画祭を賑わせたイム・グォンテク監督『酔画仙』で本格映画デビューし、これが9年ぶりの映画出演となるユ・ホジョン。
幸せだけど何か物足りない、そんなアラフォー主婦を好演しました。
前作『過速スキャンダル』と本作のヒットにより韓国を代表するヒットメーカーとなったカン・ヒョンチョル監督が、登場人物の現在と過去を行き来させ、彼女たちが辿ってきた人生のうつろいを浮かび上がらせます。

 専業主婦として、不自由のない日々を送っているナミ(ユ・ホジョン)。ある日、彼女は母が入院する病院で高校時代の仲良しグループ“サニー”のリーダー・チュナ(ジン・ヒギョン)と偶然再会したことで、楽しかった思い出が蘇る。
田舎からソウルの女子高へやって来た転校生のナミは、方言のせいで笑い者にされていた。
そんな彼女を仲間に入れてくれたのがチュナ。
そして個性豊かな7人の仲間たちが集まり、友情の証としてグループを“サニー”と名付け、いつも笑い合っていた。あの事件が起きるまでは……。
再会したチュナは余命2ヵ月の重い病に侵されていた。「死ぬ前にもう一度みんなに会いたい」と心から願うチュナのため、ナミは残りのメンバーを捜し始める――。

舞台となる1980年代は、世界中でポップ・カルチャーが咲き乱れた頃。本作のテーマ曲ともいえる当時ヒットしたディスコ・ミュージック『サニー』も、深く心に染み込んできます。
そして、印象的なのはかけがえのない友人と再会し、ライバルチームとケンカしたり、友達の兄のイケメンの友人に片思いしたりしていた、まばゆい宝石のような青春時代を思い出していくナミの姿。
セレブの妻として順調な毎日を過ごしつつ何か物足りなかった彼女が求めていたのは、本気で笑って泣いて、友人たちと夢を語り合いきちんと人生の主役をはっていた過去の自分だったのかもしれません。

  しばらく連絡を取り合っていない女友達、あなたにもいませんか?
  わざわざ過去に戻るのは気がひけるとしても、大事にしていた友人に連絡をとることは、当時のあなたに出会うことにもなるでしょう。
この映画によって、たくさんの縁がもう一度引き合うことになればいいですね♪

5月19日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

監督・脚本:カン・ヒョンチョル
キャスト:シム・ウンジュン、ユ・ホジョン、カン・ソラ、ジン・ヒギョン、キム・ミニョン、コ・スヒ、パク・チンジュ、ホン・ジニ、ナム・ボラ、イ・ヨンギョン、ミン・ヒョリン、キム・ボミ
配給:CJ Entertainment Japan
原題:Sunny/2011年/韓国映画/124分/PG-12

Text/Michihiro Takeuchi