生々しく映る四姉妹と食べ物と、“姉妹あるある”
春は桜が美しく、夏は汗で顔がテカり、秋は過ぎ行く季節を感じ、冬は寒さに互いに身を寄せる。
一年で食べ物も景色も変わり、ここが日本であることを肌で感じさせてくれる。
生真面目でお母さん的存在の幸、自由奔放でだらしない佳乃、マイペースな千佳、素直で優しいすず。四姉妹それぞれのキャラクターが個性豊かで、人間味に溢れている。
4人が畳の上でご飯を食べる、ごくありふれた“家族”の風景。豪華キャストであるが、そこにファッション雑誌の表紙を飾るような面影は薄く、現代に生きる等身大の女性像が浮かび上がる。
(C)2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会
すべてに体温を感じる。肌ツヤがフィルムで撮られたせいか生々しく、実在するかのように自然な出で立ちがそこにある。
そのため、出てくる食べ物がすべて美味しそうで、食卓に並べられた味噌汁、しらす、カレーが飯テロ並みに匂いまで漂ってくる。
勝手に互いの服を着て言い争いになったり、長女が命令したことを次女が三女に命令したり、“姉妹あるある”が笑いを誘う。
三姉妹と、腹違いの妹の生活だが、そこで描かれる人間関係はどこにでもある。そのバランスがとても美しいのです。