あなたが手に入れたい「愛」はどれ?

相手が“身内”だからこそ、自分を受け止めてほしい。いや、押し付けてしまう。冷静に考えれば、そんな身勝手はうまくいかないとわかることなのに、こうした想像力の欠如による失敗が、恋愛では本当によく起きます。

ただ一方で、相手のリアクションを想像し、そして良くも悪くも想定した行動を取ることも、愛とは違うものなのかもしれません。

いわゆる「無償の愛」と呼ばれることも多いですが、愛というのは元来、相手のリアクションや未来を想像するのではなく、自分が主体となり、相手の幸せをただただ祈り、見返りや期待をせずに行動を起こすことを指します。
つまり、私たちが目指していくべきは、相手のリアクションを想像せず希望を押し通す「期待する愛」ではなく、かといって相手のことを思いやり、想像し「こうなったらこうだろうな」という予測ゲームでする「想定通りの愛」でもありません。
彼がただただ好きだから、私が彼のためにできることを全力でする。リアクションを想像する余裕もないくらい、相手の幸福を願うことが、愛なのかもしれません。

相手に期待をしすぎたと思ったら伝え方を変えていく

期待する愛は関係性をあまりよくしないこともわかる。
とはいえ、無償の愛なんて到底相手に注ぐことはできない。

2つの相反する感情に溺れたとき、あなたは彼にどうやって希望を伝えるべきなのでしょう。1つの正解として、希望を希望として伝えきる。というのは、思わせぶりや期待を手放すには良いことかもしれません。
つまり「彼氏なら誕生日には祝うべき」ではなく、「私は誕生日には彼氏にきちんと時間を取ってお祝いしてほしい」という、自分主体の希望に言い換えて、相手に伝えるのです。

冒頭の女性なら、「おはよう」「会いたい」と単発で希望をボンボン投げるのではなく、「時間があったら返事がほしい。寂しいんだよね」といった言葉を相手が有無を言わずに理解してくれるまで、タイミングを見て伝えていき、理解してもらうことが大事です。
あなたは自分の気持ちを「べき論」で押し付けるのではなく、素直に相手に伝えて理解してもらう。同時に、相手の気持ちや状況を理解する努力をしてこそ、2人の恋愛はもっと良くなるのです。

今回は希望と愛情の関係について解説してみましたが、正直「べき論」だけで成り立つなら、それはそれで幸せなことです。
でも、いつか相手と気持ちや理解のズレが生じたとき、その時に伝え方や自分の気持ちの探り方を知らないと、2人の関係は良くなりません。

「好きなら●●して」的な発想は、一般論というものを凶器に変えたワガママでしかないので、繰り出すときは少しだけ深呼吸を。