「不安」「寂しさ」に対する処方箋『愛さなくてはいけないふたつのこと』

 どうしようもなく不安になったり、寂しくて仕方がなくなったりすること、ありませんか?
でも、どうしても解消できない。考えれば考えるほど、さらに不安になって寂しくて…という無限ループに陥った経験のある人もいるかもしれません。

 本書は、『暮らしの手帳』の編集長である松浦弥太郎さんによる人生論。
誰もが抱える「不安」と「寂しさ」に対する向きあい方について書かれています。
松浦さんは「不安と寂しさは、受け止めて愛しさえすれば、あなたを守る力になる」と綴っています。

でも、どうやって?

 例えば、あなたが見た目を気にして「不安」「寂しさ」を感じる人間だったとします。
外見にこだわって気持ちを沈めてしまう人は、実は内面に問題を抱えていることが少なくないそうです。
外見を気にするようになった原因は過去にあることが多く、根っこが過去にあるならば、いくら外見を磨きたてても解決には繋がらないそうです。
松浦さんは「問題は自分の見た目ではなく過去にあると知る」「過去を見直し自分によくない振る舞いがあったら反省する」「過去は過去として割りきり、引きずられない」という3つの考えを提案しています。

自分の持っている不安や寂しさを認め、抱きしめて愛することができれば、同じように不安と寂しさを持つ、別の人を愛することができるようになるそうです。
他の人を愛することも、世の中の不安と寂しさを和らげる素晴らしい方法だと松浦さんは締めています。

 不安と寂しさと向き合える自分になれたとき、あなたは今よりももっと人を愛せるようになる。
その人の不安と寂しさもすべてひっくるめて。

書名:『愛さなくてはいけないふたつのこと』
著者:松浦弥太郎
発行: PHP研究所
価格:¥1,260(税込)

Text/Yuuko Ujiie