気持ちを伝えて、意見を聞いて、はじめて解決できる
ここで改めて、“かもしれない不安症候群”の話に戻ります。
わたしはこの連載で、幾度となく「言いたいことがあるなら自分の言葉で言いましょう」「わからないことがあるなら相手に直接聞きましょう」とお話しさせていただきました。
「嫌われてしまう“かもしれない”から言えない」「重いと思われてしまう“かもしれない”聞けない」という気持ちも、もちろんわかります。
でも、冷静に考えてみてほしいのです。
「嫌われてしまう“かもしれない”」「重いと思われてしまう“かもしれない”」というのは事実ではなく、あくまでも自分の想像です。
その想像が事実なのかは、言ってみなくちゃ、聞いてみなくちゃ絶対にわからないことです。
何も言わず、何も明かさず、何も聞かず、何も確かめず、勝手な想像で不安を抱えたままずっと過ごしていても、なんの解決にもつながりませんし、なんの意味もない。
事実とは違った部分で自己完結して傷つくなんて、これほどかなしいことはないのではないでしょうか。
相手に伝えたし、それに対する相手の気持ちも聞いた、さてこのあとどうしよう、となって初めて、解決方法を導き出せるのです。
あなたの場合も、現時点では事実ではなく、あなたの主観であり、想像ですよね。
たしかに、彼にあなたが抱えている不安を伝えることで、重いと思われる“かもしれない”。
「彼女と遊ぶのは月一回でいい」「LINEも電話もほとんどしない」と言っていたのは、あなたと付き合う前なのか、付き合ってからなのかは書かれていないので判断しかねますが、相談文の中に「彼はわがままも聞いてくれる」と書かれていますから、もしかしたら「全然重いと思わないよ!もっと頻繁にLINEのやりとりしよ!毎週デートしよ!」となる可能性だってあります。
これも、“かもしれない”、ですよね。
もしも、それによって彼があなたのことを「重い」と感じていることがわかったのであれば、「重いと思われないためにはどうしたらいいのか」「これが自分自身なんだから彼に理解してもらうためにはどうしたらいいのか」「受け入れてもらえないなら友達関係になったほうがいいのか」など、一歩踏み出した先のことを考えられ、今抱えている不安を取り除くことができるのではないでしょうか。
そして最後に。わたしはあなたに、「ニコニコする」と「ヘラヘラする」は全くの別物だという認識を持ってほしいと思います。
これらは笑顔という点で非常に似ているように感じますが、自分の気持ちを伝えるときは、ヘラヘラしてはいけないのです。
なぜなら、本心が相手に正しく伝わらないから。
嫌われるのがこわいからと、相手によく思われるためにヘラヘラして、結果的に損をするのは自分です。毅然とした態度で相手に伝えず、宙ぶらりんのままナアナアにしていたら、苦しさはずっと続きます。
それなら、嫌われる覚悟で早いうちに伝えたほうが、もしも嫌われていなかったとしたら早い段階ですっきりしますし、たとえ結果的に嫌われたとしても、言わずに耐え続けるよりもその時期が早くなる、ただそれだけのこと。
やったことないからと勇気を出すことを躊躇して、ハナから無理だと決めつけ、どうせダメなんだ……と怖がり続けていたら、いつまでたってもできることは増えません。
楽な方向に逃げたいという気持ちを優先して彼との関係性を考えるのではなく、自分のためにはどういう行動を取るのが最善かを第一に考えて、決断してほしいと思います。
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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
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Text/ものすごい愛
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