変化に戸惑うのは当たり前だから

さて、その「かもしれない症候群」のあなたの不安を取り除く前に、まずは恋人と友達の違いについてお話しさせていただきます。

あくまでもわたしの考え方ですが、恋人と友達の違いって、生活の一部が重なるかどうかだと思います。
友達という関係性だと、極端な言い方をすれば相手の生活はどうだっていいんです。相手の仕事や経済状況、恋愛に対する考え方、恋人との付き合い方、本人の性癖など、正直自分には関係のない、口を出していい領域ではないですよね。
もちろん、本人から相談を持ちかけられたら一緒に悩んだり、時には苦言を呈したりもするのでしょうが、基本的には気が合って楽しければそれでいいはず。

ところが、恋人という関係性になると、そうもいきません。
誰しもが、お付き合いしている人との将来を考えているとは言い切れませんが、少なくともできるだけ長く一緒にいたいとは思っているでしょう。となると、「一緒にいて楽しい」という一点だけでは済まず、相手の仕事や経済的な部分、周りの人間関係など、ある程度は自分事として捉えるのではないでしょうか。

個人の部分に関しては口を出すべきではない、というのは友達と共通していますが、共有している部分、つまり、あなたの人生に関わってくる部分については相手と擦り合せる必要があり、関係性をよりよくするために意見を言ってもいい立場だと思います。
あなたの場合、友達から恋人に関係性が変化したことで、個人の部分と、彼と共有していい部分のラインが曖昧で、どこまで踏み込んでいいのかがわからないのではないでしょうか?
そのため、恋人として彼に言いたいことが言えなくなり、「気楽だった友達関係に戻りたい」という気持ちになっているのだと思います。

今の彼女という立場から、別れて友達という立場に関係性を変えることは、選択肢のひとつとしていいと思います。
それは、あなたの自由ですからね。
でも、彼との関係性として「友達としての気楽さ」を選ぶなら、彼女としての特別扱いを求めたり、先にお話ししたような2人で共有している部分に対して口出しするのは、マナー違反になってしまいます。

そもそも、「恋人から友達に戻る」という表現は、少し違うのではないでしょうか。
一度変わった関係は元に戻ることはなく、あくまでも新しい関係に変化する、と捉えるべきだと思います。
以前の友達関係とはまた違った新しい友達関係になるわけで、恋人として抱いた感情やそのときの経験がきれいさっぱりなくなるわけではありません。過去と今とを線引して言動に気をつけ、湧き上がる感情に折り合いをつけるのは、とても骨が折れる作業ですよ。
それに、あなたがいくらよしとしても彼の感情ありきですから、「別れたら友達にはなれないよ」と言う可能性もあるということは、頭に入れて決断しなくてはいけないのです。

あなたは、関係性の変化にとても戸惑っているようですが、それは友達から恋人への変化でも、恋人から友達への変化でも、同じこと。
そもそも、関係性や環境が変わって戸惑うのは、至極当たり前なんです。
これから先、自分を取り巻く人間関係には必ず変化が伴います。そのたびに、「やっぱり前の関係がいいな」と変化を嫌って流れに逆行するのは、賢い選択とは言えないでしょう。