ひとつひとつ幸せになる努力をした方が楽しい

配偶者に対して、「本当にこの人でよかったんだろうか」と不安になっているようですが、それは最後の最後にならないとわからないのではないでしょうか。
もちろん、日々の生活の中で小さな幸せを感じて、「ア~! めっちゃ好き~! この人と結婚してよかった~! ハピネス~!」ってなることはあります。
でも、結婚自体が正解だったかどうか、結婚相手が正解だったかどうか、というのは途中経過の時点では誰にも判断できません。
だって、人生は何が起こるのかわからないのですから。
それなのに、最後の最後、死ぬ間際まで「この人でほんとうによかったんだろうか?」「結婚したことは間違いだったんじゃないか?」と常に悩みながら生活するの、想像しただけでかなりしんどそうではないですか?
だったら、終わり良ければ全て良しを目指して、置かれた環境の中でひとつひとつ幸せになる努力をした方がよっぽど楽しいと思います。
それに、「わたしが結婚前にやりたいことを全て網羅して、心から納得できるまでずっと待っていて欲しい」という不確かな期間を彼が待ち続けてくれる保証はありませんし、もしくは彼との別れを選択して、1人の自由な時間を存分に楽しんだあと理想通りの男性が現れて、その人と上手くいくという確証だってないのです。
“ないものねだり”をし続けて、自分の人生を悲観的に見るのは禁物です。

結婚って、多少なりとも勢いが必要だと思うんですよ。
誰しもが、結婚前には「この人と結婚して幸せな生活を送ることができるか」というのをよく考えてから決断をするのでしょうが、恋愛中なんて脳から麻薬のようなものがジャバジャバ出てる状態に近いのです。
ある程度は「いけるっしょ!」「なんとかなるっしょ!」という気持ちがあって、結婚に踏み切るのではないでしょうか。
実際に結婚してみなくちゃわからないことはごまんとありますしね。
いくら冷静に物事を考えられたとしても、完全に未来を想像し尽くして、不安が生じる可能性がゼロの状態で結婚なんて、無理無理!!!!!
自分にとって都合のいい部分だけを見て強行突破してしまったというあなたの後悔はさておき、ちゃんと自分なりに考えて決断したことに対する後悔は、誰にだって起こるもの。
今は気持ちがいっぱいいっぱいで思い出せないかもしれないけれど、あのときのあなたはあなたなりに一生懸命に考えたはず。
そのことを無視してしまうのは、過去のあなたがかわいそうですよ。

人間、全てをやり尽くして望むもの全て手にし、心がパンパンに満たされて欲しいものなんてもうなんにもなーーーい! はい! わたし人生全クリしましたーーー! なんてことはあり得ません。
望む仕事に就いて、やりがいを感じながら毎日働いて、職場は福利厚生がしっかりしていて、結果的に成功してお金も充分に稼いで、理想の相手と結婚して、性別も人数も性格も理想通りの子供に恵まれて、子育て中は時間的にも精神的にも金銭的にも余裕もあって、周りからの手厚いサポートが惜しみなく注がれて、制約がひとつもなく趣味を充実できて、しょっちゅう海外旅行して、興味があることに片っ端から手を出して……なんて健康なまま100年生きられたとしても1日は平等に24時間。
誰だってそんな器用なことはできませんし、肉体的な疲労は避けられませんし、家族といえど自分の思い通りに動いてくれるわけでもないですし、この社会も多くの人が関わっています。
でも、その都度環境に順応しながら、やりたいことを1つずつ叶えていくことはできるのです。
結婚したら自由がなくなってしまうという決めつけだとか、やりたいことは叶えられないという諦めは、とてももったいないなぁと思います。

たしかに、結婚すると自分ひとりだけの判断で好き放題行動できないということはあります。
また、あなたが今望んでいるように将来的に子供ができたら、そのときは子供がメインの生活になるでしょう。
そうなると、きっと今想像しているよりもずっと慌ただしい生活になり、気軽に旅行ができなかったり、やりたい仕事を諦めなくてはいけなかったり、趣味に割く時間がなかったり、好きなときに好きなことをやれなかったり、というのはあるかもしれません。
それでも、今あなたの中に湧き上がっている感情とは別だとしても、幸せはきちんと存在します。
それは、あなたがその生活を始めようという決断をしていなければ、得られることのないものです。

ひとつひとつ、自分が置かれている環境の中で生まれた幸せを存分に味わって、今持っているエネルギーを失わずに持ち続けていれば、大丈夫。

二兎を追う者は一兎をも得ず、ということわざがありますが、一兎得たことでもう一兎がどうでもよくなることもあれば、一兎得てひと息ついたあとにまたもう一兎を追うことで得られる可能性もあるのです。
何事も、本人次第。
消えてなくなってしまわないエネルギーと、明確なビジョンさえあれば、やりたいことは何歳になってからでも、結婚してからでも、いつだって始められます。