義務をスルーして権利を主張することなんてできない

そもそも不倫って、配偶者の秘密裏に進めることが最大にして唯一の醍醐味なのではないでしょうか?
夫婦という関係では、お互いの見た目や性格だけでなく、仕事や住居など生活に関すること、収入や貯蓄などお金に関すること、子供のしつけや親の介護など当事者以外のことにも向き合っていく必要があり、正直に言ってしまえばかなり面倒なことですし、義務に等しい事柄が多いので時には衝突することだってあります。
その一方、不倫はそういったことを全部抜きにした、むしろそれらから逃げている状態で「ベッドの上でこんな風に甘えてくる彼を知っているのはわたしだけ」「家では家庭的なパパかもしれないけれどわたしの前では情熱的な表情を見せてくれる」といった背徳感があるから興奮するものでしょう。
だから、彼の奥さんにバレた時点で、あなたが奥さんに優越感を覚える部分は何一つとしてないのです。

彼女がいる人と付き合っている女性からの相談記事でもお話しさせていただきましたが、彼女がいる男性のセフレや結婚している男性の愛人など、いわゆる“2番目の女”になるには才能が必要です。
「面倒なことが一切なくて楽チン~!」「ただ甘やかされるだけのいいとこ取りだけできてる関係はサイコー!」ぐらいの余裕を持てず、「いつか1番になりたい……」と思っている時点でその関係は破綻してしまいます。
“2番目の女”としての地位を楽しめないのなら、あなたも不倫に向いていないと思います。

本人がいくら彼氏彼女の関係だと主張しても、世間から見れば所詮は不倫相手。
面倒なことである義務を果たしていない時点で、権利を主張することはしてはいけないのです。
ですから、彼と彼の奥さんとの結婚生活に口を出す権利はあなたにありません。

不倫の事実を知っていながらも離婚しないこと、配偶者が入院したにも関わらずお見舞いに来ないことは、夫婦で決める部分だということを忘れないで下さい。

子作りに関してもそう、あなたは今避妊すべき立場です。
不倫で盛り上がっている人の「出会う順番が違っただけ……」という常套句がありますが、真実がどうかは別にして、本人こそ正しいその順番とやらを守らなければいけないと思うのですが?
あなたは「このままでいいのか?」と自問自答していると仰っていましたが、「権利だけ主張する自分は幸せになれるのか?」と別の自問自答をして欲しいと思います。