わたしはわたしを信頼できないから不倫できない/長井短

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ようやく暖かくなってまいりました〜! 皆さん、いかがお過ごしですか? 私は家の中で漫画を読む時間が増えました。最近は無料で毎日1話ずつ読める漫画がたくさんあって大忙しです。アプリで漫画を探してみると、普段自分が手に取らないような漫画も目に入るからとっても楽しい。
そして…私は出会ったのです…不倫漫画の世界……。実は最近『ギルティ』という、これぞ不倫漫画の金字塔って感じのドロドロのドラマに出演させていただいているのですが、この『ギルティ』も漫画原作なんです。なんだか私の周りに不倫の物語が多いなあ…ってなわけで今回は初めて「不倫」について考えてみようと思います。どう? 人妻コラムっぽくない?!

己のスパイ能力への信頼

ひと言で不倫と言っても、その中身は様々である。パートナーとの付き合いが長すぎて、もう家族すぎて、他の異性と恋をしたくなってしまうこともあれば、パートナーともうまくいっているのに嵐のような恋心に巻き込まれてしまう人もいるだろう。別に恋とかじゃなくて、シンプルに人肌恋しかったり、なんかノリでしちゃう人もいるのかもしれない。どのパターンにせよ、私が抱く感想は同じで「自分への信頼厚いな」ってこと。

基本的にはみんな「バレちゃダメだ」って想いを抱えながら不倫しているって認識はあってますかね? まあ中には「不倫してバレてそれで離婚するぞ〜」っていう長期計画タイプもいるのだろうけど、たぶんこれは少数で、ほとんどの不倫は「絶対に…隠す…墓まで……持つ…」っていう気持ちがありながらだと思うのです。ここで1つ目の、自分への信頼の強さが見える。たぶん、自分なら隠し通せると思っているのだ。過去に浮気がバレなかった経験があったりするの? それが礎の自信? わからないけど、自分の能力への信頼が感じられない? きっと、若い頃から大抵のことはそつなくこなせたんだろうなあ。自分が持っている能力と、それを使う場面のバランスが取れなくて不倫をしている人って結構いるんじゃないかと思う。不倫ってスパイ感あるし、なんか頭使いそうだもんな。

「私たちにしかわからない世界」への信頼

この「スパイ感」ってのは不倫にとってかなり重要で、人間は秘密が好きだ。不倫相手との夜ってのは基本的に「世界で2人しか知らないこと」で、この隠密活動的空気がまた、不倫を盛り上げる。何かを秘密にする時って、シンプルにバレたらやばいからって理由もあるけれど「どうせ人には理解してもらえないから」っていう自嘲的な理由も含まれてるんじゃないかと思う。この自嘲がすくすく育つと、一体何になると思いますか? 信頼です。「私たちにしかわからないこと」として、自分たちを特別視できるようになるのだ…これは自分の感性への信頼が厚い……不倫している子になーんか余裕があるのってたぶんこれが理由だ。

特別視がある程度完成したら「不倫、してるよ? 別に大したことじゃなくな〜い?」って、友人に対して「不倫なんて何も特別じゃないですよ」みたいな説明をすることで、更に特別感をパワーアップしていく。こうなるとかなり強固な信頼である。悪質な場合だと、この信頼を使ってマウントをとってきたりもするから皆さんも気をつけてください。