合わないなりに合わせること
最初に自分の頭の中で、この「生きるテンポ」について考えた時に過った恐怖…それは「テンポが合う人との交際を勧める=私と夫は駄目な例」ってことで、そりゃいかん。自分の書いた記事で自分の人生が否定されるなんて嫌なこっただよ〜ん! それに、世の中にはきっとテンポの合わないカップル夫婦もたくさんいる。私もだよ!!! だから頭をフル回転させて、テンポが合わないことを救う道は…ないのかと…考えたのです。閃いたのは、「倍なら合うんじゃね?」っていう超シンプルなこと。そうです。倍なら合うのです。どれだけテンポに差があっても、倍は!合います!!!
私はかなりせっかちな人間なので、たぶんビート180くらいで刻んじゃってるんだけど、それに対して夫のビートは90。ゆったりのんびり温泉気分の夫にイライラすることは多い。そうなると、「オラ!! テンポ上げろよ!! 合わせろよ!!!!」って乱暴な気分にもなるのだけど、そんな時に一度静かに耳を澄ますと聞こえるのです。90の心地よいバスドラが。「焦らなくても死なないよ」と歌うバスドラはいつも私の気持ちを落ち着かせてくれて、「今日はもういっか〜」って開き直らせてくれる。テンポの差が大きいと、もちろん噛み合わないこともあるけれど、開き直って耳を傾けると合ってる部分も必ずある。だって、90は180の半分だから、本当はやっていることって一緒なのだ。
しかも! この倍テンポシステムの楽しいところは「時たまびっくりするようなマッシュアップが起きる」ってところ。DJとかもそうじゃない? 「え〜? この曲とこの曲を合わせちゃうの?」って組み合わせの方が、合わさったときの感動って大きい。曲を探すのに時間はかかるけれど、人生は長いのだ。ゆっくりゆっくり、あれも違うこれも違うって苦労してもいいんじゃない?
「ぴったり合う」なんて奇跡は待ってても起きない。起きたとしてもそれはただの奇跡で、私の努力とは関係のないことなのだ。それってちょっと悔しい。私は私の力でぴったり合わせたい。だから今日も明日も、「おせーよ!」とか「はえーよ!」とか言い合いながら毎日を過ごす。それはとっても疲れるけれど、疲れるから良いのだ。皆さんも「こいつとはテンポ合わねーな」と思ってもあともう一歩粘ってみてください。絶対どっかでリズムが合うから。
ただし! 四拍子と三拍子はキツイよ! 拍子ごと違うとまた別の話だから相手の音をよく聞いてね!!
Text/長井短
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