「愛していればなんでもできる」それって本当に愛だっけ?

長井短の画像

1月も終わるって…? いやいや、早いでしょ。これもうあっという間にまた年越すぞ? なんて思いながら訪れた2月です。みなさん、体調は大丈夫でしょうか。激寒月間2月の一大イベントといえば、バレンタインですね。みなさんは今年本命に渡す予定…ある? っていうか渡したことある? 自分のバレンタインを思い返すと、中学生の時初めてできた彼氏に生焼けのチーズケーキを渡した記憶や、高校時代に友チョコで歯をブチ折る強度の生キャラメル(寒さで鋼鉄みたいになってた)を配った記憶などがあります。ロマンチックバレンタインはわたしの記憶にない。

さてはて今年はどうなるかしら…と思いを馳せつつ、やっぱり、バレンタインにチョコ作って本気の告白って憧れる。バレンタインが交際記念日ってとても良い。とは言っても、現実は物語と違って、告白の後にもページが続く。ほとんどの場合、交際成立の後待ち構えるビッグイベントはキスと、それからセックスっぽいけど、これって絶対こうじゃなきゃダメなんだっけ? ていうか、なんでするんだっけ…? え? 何この疑問怖…今回もデカ問題提起すぎて立ち向かえる気がしませんが、まぁいいか。ちょっと考えてみるか。

セックスで測らないで

三大欲求。満たしても満たしてもどんどん乾くこの欲望は、一体どこからくるものなんだろう。わたしの心と、どのくらい関係のあるものなんだろう。

あんまり寝なくても大丈夫な人がいたり、ほとんどご飯を食べなくても生きられる人がいるのと同じように、セックスがなくても良いのにって人もいる。過眠症があるからセックス依存症もあるし、絶対に備わっているとされる三大欲求の中にもめちゃくちゃ個人差はあるのだ。
その割に、「付き合ったらセックスをする」を疑う機会は少ない。睡眠や食欲と違って、性欲は一人では満たせない部分もあるから、自分のタイプを見極めるのが他より難しいのかもしれない。でも、見極めた方が人生は少しだけ楽になるはずだ。

潔癖症の友達が、「例え好きな人でも他人の唾液が自分に付くって時点でかなりきつい」と零していた。わたしは全然潔癖症じゃないし、なんならちょっと汚くても「死にはしないし」と思えば乗り切れるタイプなので彼女の葛藤を実感することはできないけれど、想像することはできる。わたしはすごく蛾が苦手なので、もし、局部が蛾のモチーフとかだったらかなりきつい。これはヤバイ。愛していても蛾はしんどい。

時々、セックスと愛情をあまりにも直結させて考えている人がいるけれど、これはちょっと暴力的だと思う。心ではどうにもできないのも、また心なのだ。愛しているからなんでもできるってことだけが愛じゃない。自分の本当の気持ちを、覚悟を持って相手に伝えるのも立派な愛だ。彼女は唾液が無理なタイプの潔癖症で、だからって彼を愛していないことにはならないし、それは愛情とは何も関係のないこととして捉えたい。