{(酒×酒)−モテ}+じじい=逆モテ
では次に、「逆にモテる過ごし方」です。
「モテたい」という感情を滅する必要があるので、まず朝から飲酒します。起床後すぐに缶ビールを開けちゃいましょう。そうめんを食べたくなるかもしれませんが、朝からそうめんを茹でるのはなんか可愛いので禁止です。
空きっ腹にビールが完了したら、寝ます。夕方ぐらいに起きてください。 そろそろ空腹を我慢できなくなっているはずなので、出来るだけ首元のよれたTシャツを着て、近所の1番汚い中華屋に行きます。汚い中華屋には北斗の拳かアカギが用意されているはずなので、これを読みながら餃子と瓶ビール。これで3時間はいけますね。店主が嫌な顔をし始めたらすぐに帰りましょう。
帰り道はコンビニに寄って、缶チューハイとコンビニでしか売ってないエロ漫画みたいなのを買ってください。いつもより遠回りして、缶チューハイを飲みながら帰りましょう。
「モテたいと思わなければ逆にモテる説」が正しいのであれば、この過ごし方でモテるはずなんです。
チャンスとしては、まず中華屋。汚い中華屋に女の子が1人で来ることって珍しいはずなので、その中華屋にいる人たちはほぼ全員あなたのことを意識しているはずです。
「この女の子はなんだろう?」「どうして若いお嬢さんが1人で中華屋に?」「北斗の拳・・」場モテしてますね。
運が良ければ、1杯奢ってもらえるかもしれません。豪快に飲むこと。ここで少しでもか弱い女の子感を出してしまうと、中華屋にいるじじいを緊張させてしまいます。それって迷惑です。
じじいの憩いの場を乱さないように、こちらがじじいに寄せましょう。うまく寄せることができれば、そのじじいはあなたの大切な友達になるはずです。
もう1つのチャンスはコンビニ。夏の夜に缶チューハイとエロ漫画を買うんです。これはもう、モテから遠ざかりすぎて逆にめちゃくちゃモテます。店員さんはシンプルにドキドキしているはずです。
でも、だからってあなたもドキドキしながら買ってはいけません。粗暴な態度で挑みましょう(競馬新聞とワンカップを買うじじいを真似するのがオススメ)。この、あまりにも強気な態度。店員さんは今年の夏、あなたを忘れることはできないはず。ロマンチックですね。
蘇るあの頃のわたし
最後は、遠回りの帰り道です。公園に寄りましょう。ベンチに座ってチューハイを飲んでいると、向こう側に、花火をする中高生が見つかりませんか?
自意識の故障で、異常に声が大きくなってしまった男女グループ。あれは、昔のあなたです。目を背けないで。あれは、昔のあなたなのです。
クラスのいつメンたちと夏休みの夜、ドンキで花火を買って公園に集まりましたね?水風船も買いましたね?たいして仲が良いわけでもない、本当はいつメンでもなんでもない。ただなんとなく集まっただけのグループだけど、この夜だけは、永遠に友達で居られる気になれた。あぁ、彼彼女たちは元気かな。どこかのベンチで、こんなふうにチューハイ飲んでるかな。
そんなことを考えていたら、涙がこぼれ落ちます。拭かないで。びちゃびちゃのまま家に帰りましょう。昔の友達に連絡しちゃダメですよ。SNSで検索もなし。
今夜あなたは、1人きりで過ごします。自分は孤独だということに、ちゃんと向き合うのです。大丈夫、チューハイはあなたの味方。
「あなたみたいになりたい」
孤独を受け入れている人間は、とても魅力的です。その人には虚勢がなくて、なんだかとても楽そうだから。多くの人が「あなたみたいになりたい」と思うでしょう。
その気持ちは時間の流れの中で、恋心へと変わるはずです。つまり、モテる。孤独な夜を越えれば越えるほど、結局モテます。なので今年の夏は、短期的なモテ、SNSちやほや祭りではなく、長期的なモテを目指して、孤独を愛してみませんか?
もしどうしても淋しくなったら、さっきコンビニで買った本に手を伸ばしてください。気休めだけど、1回1人でエッチな気持ちになってみて。その感じもまた、めちゃくちゃ魅力的だと思うよ。
次回は「団体での逆にモテる過ごし方」をお送りしようと思います。
Text/長井短
次回は<ねぇ、自分のモテばかり考えないで、あの人の思い出に思い馳せてみない?>です。
子供時代の夏休みに思いを馳せない人はいない!全人類が持つであろう共通の記憶を揺さぶり「モテ」に変換する方法について、長井短さんが語ります。きっとあなたはこの夏モテる!
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