「好きな人と結婚したい」全然無理してない47歳キャリアウーマンの潔い結婚観

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 中目黒で出会ったのは、パワフルな人妻ハナちゃんと、「初めましての恋バナ図鑑」6人目となる真由子さん。彼女は自分のことをなかなか話してくれないという、今までにないタイプの方だった……。
質問を投げかけても「特にないよーそらみちゃんは?」と返されてしまう。
それでも話を聞きたくて、7時間弱飲み続けた。

真由子さん、47歳独身キャリアウーマンの場合

poiboy 馬肉を食べ過ぎて予算オーバーしました。Poiboy

 広告代理店に勤め、バリバリと働いている真由子さん。新宿2丁目でよく飲み、広い交友関係で色んな集いに顔を出している。
とは言いつつ、そんな精力的な毎日の様子を知れたのは会も終盤。
なかなか口を開いてくれない真由子さんに、まずは若い頃の話を聞いてみた。

「10代の頃は何も考えてなかったし、夢とかもなかった。もう全然普通で、特にないよー

「絶対もっとなんかあるはず!」としつこい私たちの攻撃に、ほんの少しだけ話してくれた恋愛があった。何度も何度も私たちの話を挟みながら、少しずつ話してくれた。

好きすぎて一線を越えられなかった人

 19歳から28歳まで、真由子さんは友人に片思いをしていた。2人でたくさん遊んだりもしていたし、手だって繋いだこともある。

「一回帰れなくなってホテルに泊まったことがあったの。その時にやる? みたいな感じになったんだけど、私が“ごめん”って断っちゃった」

 好きすぎるあまり考えすぎちゃっての“ごめん”。なのに、真由子さんの“ごめん”の意味はきっと相手には届いていない。

「多分人生で一番好きで、今でもずっと引きずってる。もし今、彼が独身だったらいくのになあ……」

 共通の知り合いに連絡先聞こうよ! と鼻息荒くしてみても、「うーん」とハニカミ笑顔を見せる真由子さん。 あ、やっと分かってきた。この方は、ものすごくピュアなんだ。

10年付き合って別れた、家柄のいい男

 9年の片思いは、彼の転勤で距離ができたのをきっかけに疎遠となり終わった。その人のことを思い続けて20代は過ぎ、30歳になり彼氏を作った。その彼氏とは、10年も付き合うことになる。
40歳まで付き合ったのに、なぜ別れることになったのだろうか。

「彼は家柄がすごい人だったから、そういう“お家を継いでいく”とかは違うなあって思って、別れた」

 この人しかいない! そんな風に思えていたら、どんな家にでも嫁いで嫁業をやったかもしれない。でも、彼にそこまでの思いを抱けなかった。
「あの時結婚しとけば良かったって思うことない?」の問いに、

「まったくなーい! ただ、彼には本当に“ありがとう”って感じ」

 とだけ答え、真由子さんはすぐほかの人に話をふった。 なかなか言葉を連ねてくれない歯がゆさで、私・舘そらみは、真由子さんの感情にもっと触れたくなっていた。特に、結婚への思いについて聞きたかった。

 アラサーの私ですら、未婚であることを痛感する瞬間は毎日のようにあるし、この先結婚をする人生なのかどうかよく考える。
真由子さんは、47歳。“淋しい”なのか“超楽しい”なのか分からないが、独身でい続ける思いを聞きたかった。なのに本当に話してくれない。半ばムキになりながら、質問を重ねた。