「恋の仕方を忘れちゃった…」そんなつぶやきをしたことのある人は少なくないだろう。
どうやってトキメクのか忘れちゃって、前だったらドキドキしていたような誘いも「なんかノレない」とか思っちゃって。
今回、お話を聞いたのもそんな、「恋を忘れた」と繰り返す北川景子似の36歳ちささん。
でも、話を聞く中で見えてきてしまった。「恋を忘れた」のは、「忘れられない恋があるから、新しい恋をできないだけ」なんじゃないだろうか…。
隠していた思いを噴き出させた、元カレからの連絡
自分の会社を立ち上げ、バリバリ仕事をしてきたちささん。「仕事の方が楽しいし、彼氏が欲しいとも結婚したいとも思わず、30代前半を過ごした」とあっけらかんと語る。
そんな彼女の心の平穏をかき乱したのは、去年来た、元カレからの近況報告だった。
「30歳の時に別れた、結婚寸前までいった元彼から4年ぶりに連絡が来て、結婚していたことを知った。彼のことを諦めてなかったつもりはないけど、『彼より良い人が現れたらその人に決めよう』ってどこかで思ってたんだなあって気づいた」
もし連絡が来なければ、自分の深層心理にも気づかなかっただろう。でも予想外の連絡で、未だに彼の影響を受け続けている自分に気が付いてしまった。“彼より良い人が現れたら”なんて、“いつ彼が戻ってきてもイケる状態でいたい”気持ちのあらわれだ。
そこから1年、ちささんは今ももがき続けている。
現在、彼とちささんは「離婚したら一緒になろうという暗黙の約束」で繋がっている。
好きでしょうがないのに別れた彼
そんな彼とは、別れ方が最悪だった。
「結婚しようと思って相手の実家に挨拶に行ったが、彼の実家がどうしても受け入れられなくて、別れた」
結婚したら同居、が条件だった彼の実家は、2LDKに祖母祖父や兄弟を入れた8人で生活していた。父親は見たこともないくらい時代錯誤な男で、母親は三歩下がって正座をし、思うことも言わないような家だった。
「朝、おじいちゃんがトイレで1時間は将棋の本を読むの。その間にトイレに行きたくなったら向かいの公園に行かなきゃいけないってほど、封建的な…」
いや無理だよ! それ耐えられない! と話を聞きながら全員で憤慨する。同居が条件という家族に対して、彼も拒否をしなかった。そうして、ふたりは別れた。
「別れた直後は好きすぎて、もう会ってはいけないと思っていた」
それだけ好きな人とそんな理由で別れたら、思い出として昇華されないまま4年経つのも無理はない。
≫抑え切れない恋をしよう≪
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