「ヒモザイル」という生き方
山田:『東京タラレバ娘』って読んでる?
はあちゅう:読んでます。
山田:一昨日その作者の東村アキコ先生と話してたんだけれど、彼女がその漫画で問題提起しているのは「仕事を頑張っちゃうと恋愛がうまくいかなくなっていくって何なの」っていうことなんだよね。「頑張ったのに愛されない」っていうタームに入って、そうなると、安心感が欲しくてあんまり好きじゃない人のところにいっちゃうんだよね。
はあちゅう:それはわかりますね。すごく歯がゆいですね。『東京タラレバ娘』を読んでいると、まさに周りの縮図です。こんな人、私の周りにもいるって思うし。
山田:東村アキコ先生が言っていたのは、最終的にお金はあるんだから、金がなくて夢がある男たちを捕まえればいいってことで。
はあちゅう:『ヒモザイル』ですね。
私はすごくいい考えだと思います。なんで叩かれているのかよくわからないです。
山田:問題は「俺が好きなのはあんたの金だよ」っていう本音問題なんだよね。あんたが喜ぶようなことはしてあげるけど、本当は好きじゃないんだよ。「愛してるふり」をするのが、ヒモじゃないのか?って部分で。
はあちゅう:うーん。それって男の人がこれまでやってきたことと、変わらないと思います。
恋愛って等価交換だと思うんです。たとえば、若さとか美しさを持っている女性と、お金とか地位を持っている男性の組み合わせとか。
別にそれが「お金」と「家事」になったところで、フェアだなと思う。
『ヒモザイル』反対派の声が目立ってるように感じるけど、賛成派は黙っているだけじゃないですか。
怒りって感情は、表面的だからパッと出しやすいと思うんですよ。反対に、感動とか刺さったものって言葉にしにくいから、あまり表に出てこないんじゃないですかね。
それに、どうせ騒いでいる人たちって、言ったら悪いけれど負け組の人たち。
山田:うわー(笑)。今の太字で書く所だ。そうかもね。
はあちゅう:女がお金を持っていること自体にイラついている人たちっていますからね。
あと、「周りの不幸をネタにして」みたいなことを言ってる人もいますけれど、そんなのみんなしてます。匿名であれ、自分のことであれ、周りのことはデフォルメして書きますよ。作家ってそういうものだと思います。
山田:そうだよね。コンテンツにして成仏しているとも言えるしね。
実際にネタとして出てくるアシスタント(ヒモザイル1号)の人を知っているんだけれど、彼はすごく楽しそうに生きているんだよね。
はあちゅう:そうですよ。ネタにされてなんぼですからね。
あれ、怒っていいのは本人だけですよ。私だったらあんなにネタにされたらうれしいです。ウケる!みたいな。
山田:それは喜ぶな。言っておくね。
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